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◆批判するだけの社会に希望はあるのか
韓国では毎日のようにデモが行われているし、不買運動もしばしば発生する。
筆者がこの記事を書いた日(2022年10月20日)にも、SPCの不買運動の他にも観光業界のデモ(新型コロナウイルスによる損失補償や雇用維持を訴えるもの)、イラン政府に抗議するデモ(韓国で行われたアジア選手権に参加したイランの女性スポーツクライミング選手、レカビ選手の強制帰国措置疑惑を糾弾するもの)、女性家族部廃止に反対するデモ、共に民主党によるデモ(検察が民主研究院押収捜索を試みたことに反対するもの)など、多くのデモがあった。
サーバー火災によって通信障害を招き、韓国社会に大きな被害を与えたカカオトーク(LINEのような無料通話・メッセンジャーアプリケーションで、韓国で圧倒的なシェアを持つ)でも「脱カカオ」を提唱する声があるほどだ。“デモの卵”は韓国社会の至る所に存在する。
SPCはこれからしばらくパンなどが売れず、厳しい日々が続くだろう。その反面、ノージャパンは日韓関係が再び悪化しない限り、再過熱することはない。しかし、いずれまた何かのタイミングで日本のような国や、韓国企業が不買運動の対象にされることは間違いない。
糾弾の対象にされた側にも多くの韓国国民が関わっていることを、デモ隊たちは考えていない。だから“デモの卵”に飛びつく。熱しやすく冷めやすい国民性を否定するつもりはないが、壊したものが再び同じかたちに戻ることはない。デモをしたからといって状況が改善されることも稀だ。
批判だけをする社会にどれほどの希望があるのだろうと、韓国で日々起こっては消えゆくデモを見ながらつい考えてしまう。
2022.10.22(土)
羽田 真代
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72377