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12球団一のドラフト巧者はソフトバンク 過去10年で経費12球団最少もV4度のコスパ最強
ドラフト会議で獲得した選手は各球団にとって貴重な財産。いかに大きく育て、チーム力の底上げを図るか。「費用対効果」は重要だ。各球団のドラフト過去10、5年の「ドラフト経費(育成含む指名選手の契約金&1年目年俸の総額)」を算出し、チーム成績と照らし合わせて「ドラフト巧者」はどの球団か探った。
<1>低予算&育成&戦績はソフトバンク 過去10年の経費最少は38億3220万円のソフトバンク。最多のオリックスとは5億6410万円差だった。育成選手の大量指名などで「豊富な資金力」のイメージがあるが、ドラフト経費は抑えられている。一方で最近10年のリーグ優勝4度は、巨人と並ぶ最多タイ。主力選手(球団別表参照)は千賀をはじめ、育成選手が約半数を占めるなど、球界屈指の「コスパ」球団だ。ただし、22年度の年俸総額はトップ。活躍すれば報酬が増す徹底した「成果主義」とも言える。
<2>セはヤクルト&広島 セ・リーグは今年連覇を果たしたヤクルト、広島のやりくり上手が光る。「経費」では10、5年ともに広島がリーグ2番目に少なく、ヤクルトが最少。最近5年では22億8800万円でリーグ最多の巨人より、ともに約3億5000万円少ない19億円前半に抑えている。その5年でヤクルトは巨人と並ぶ2度のリーグ優勝。過去10年では巨人の4度に次ぎ、広島と並ぶ3度優勝を果たした。
<3>高コストは巨人&オリックス 過去10年でリーグ優勝4度がトップタイの巨人だが「燃費」が悪い。今季200打席以上の野手で、自前のドラフト獲得選手は12球団最少の4人で、FA補強などの移籍や外国人選手と同数だ。ドラフト5位以下の選手でシーズンを通した活躍は戸郷のみ。ドラフト指名選手が力をなかなか発揮できず、補強頼りの傾向だ。年俸総額36億4770万円は、ソフトバンク、楽天に次ぐ3位でリーグでは最多となっている。一方、リーグ連覇したオリックスは、過去10年のドラフト経費が12球団最多の一方、年俸総額は12球団6位の23億1410万円と「人件費」は抑えめだ。
「先行投資」を抑えて成果報酬を惜しみなく出すソフトバンクや、「先行投資」にも「補強」にも費用をかけて勝利を求める「巨人」。資源をじっくり鍛え上げるヤクルト、広島…。22年ドラフトは、各球団のどんな色が見えてくるだろうか。(春川 英樹)
≪入団時270万円から222.2倍!年俸6億円のソフトB千賀が上昇率1位≫現役選手の中で年俸の上昇率が最も高いのは、育成で入団した千賀(ソ)。今季の年俸は6億円で入団時270万円の222.2倍となっている。支配下入団選手では上沢(日)が最高で480万円→1億5000万円の31.3倍。野手では宮崎(D)の850万→2億円の23.5倍が最高だ。
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2022/10/18/kiji/20221018s00001173012000c.html