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【米韓軍事】 米国、韓国の戦術核再配置に「NO」…尹政府「北核対応」に悩む
北朝鮮による事実上現実化した「対韓核攻撃の脅威」への対応において、韓国政府の悩みは深まるばかりだ。
韓国内では最近、北朝鮮の核・ミサイル脅威が急激に高まっていることから「核には核で対応すべきだ」という論理により、多様な核武装のシナリオが持ち上がっている。「韓国の独自核開発および核武装」「米国戦術核の朝鮮半島再配置」「NATO(北大西洋条約機構)式の核共有」「米戦略資産の朝鮮半島周辺常時配置レベルの循環配置」などである。
これは、北朝鮮がキム・ジョンウン(金正恩)総書記の指導の下で実施した戦術核運用部隊の軍事訓練を通じて、韓国の主要軍事指揮施設と空港・港湾などを目標とした先制戦術核攻撃の意志と能力を誇示したことによるものである。
問題は、このような核武装のシナリオの鍵を握っている米国が、否定的な立場を明らかにしている点だ。米国務省の報道官は18日(現地時間) “韓国防衛のため、米国の戦略資産が常時配置されるべきだとみているか”という質問に「すでに2万8000人以上の米軍が朝鮮半島に駐屯している」とし「それが、われわれの国防関係および安保協力における韓国民との約束のシグナルだ」と答えた。
これは「在韓米軍の駐屯自体が韓国防衛の意志を示している」ということを強調することで、米戦略資産の朝鮮半島常時配置に否定的な認識を表したということだ。
また、フィリップ・ゴールドバーグ駐韓米国大使も18日「戦術核についての話が、ウラジミール・プーチン・ロシア大統領から始まったとしてもキム・ジョンウン(金正恩)北朝鮮総書記から始まったとしても無責任で危険だ」と語った。
ゴールドバーグ大使は「拡張抑止は『米国が持っている核戦力を含めたあらゆる部門を動員し保護する』ということを意味する」とし「これに対するわれわれの意志を、誰であっても疑ってはならない」と語った。この発言は「韓国内で、米国による核の傘をはじめとしたミサイル防衛と在来式戦力など “拡張抑止公約”に対する不信が高まることに対し、露骨に不機嫌さを示した」ものとみることもできる。
北朝鮮の核・ミサイル脅威に対応する「戦略資産の常時配置」と「戦術核の再配置」を米国が事実上拒否したことにより、韓国の悩みは深まるばかりである。特に、原子力潜水艦をはじめとして航空母艦や戦略爆撃機など「米戦略資産の常時配置レベルの循環配置」は、いわゆる「韓国式核共有」と呼ばれ、韓国大統領室の内外でもかなり説得力が確保された方案であった。
米韓間における北朝鮮の核・ミサイルに対応した拡張抑止の実効的強化方案は、まもなく米ワシントンで開催される予定である “米韓国防相による米韓安保協議会議(SCM)”を通じてより具体化するものとみられる。
韓国国防部(省)の関係者は「米国の韓国に対する拡張抑止提供方案は、現在取り上げられているもの以外にも数多くの手段があり、これを多様に組み合わせることも可能だ」とし「北朝鮮の挑発脅威レベルに合わせた様々な場合の手段を検討している」と語った。
WOW!Korea
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