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「史上最大の下剋上」ヴァンフォーレ甲府の天皇杯制覇に、ブラジルメディアの日本通記者も驚嘆!「J2リーグで7連敗中のチームが…」
天皇杯決勝という大舞台でも“らしさ”を貫いた甲府。表彰式で笑顔が絶えなかった。(C)SOCCER DIGEST
「史上最大の下剋上」甲府の天皇杯制覇に、ブラジルメディアの日本通記者も驚嘆!「J2リーグで7連敗中のチームが…」
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「100年に一度の予想外の優勝」
10月16日、天皇杯の決勝が日産スタジアムで行なわれ、J2ヴァンフォーレ甲府とJ1サンフレッチェ広島が激突。1-1で突入したPK戦を5-4で制した甲府が、頂点に輝いた。
J2クラブが、決勝を含めてJ1クラブを“5連破”という快進撃での戴冠に、海外でも驚きの声が上がっている。ブラジルメディア『globo』の日本通、チアゴ・ボンテンポ記者は「天皇杯における、史上最大の下剋上だ」と驚嘆しているようだ。
「現在、J2リーグで22チーム中、18位のヴァンフォーレ甲府のような下位チームが、この日本サッカー界で最も伝統のある大会、天皇杯で、J1の4つの相手(北海道コンサドーレ札幌、サガン鳥栖、アビスパ福岡、鹿島アントラーズ)を破り、決勝まで勝ち上がってきたことは、今までかつてない出来事だった。
もっと言えば、天皇杯史上、下馬評では最も優勝の可能性が薄いと見られていただろう。彼らはJ2リーグで7連敗中、11試合勝利なし。最後に勝った試合は、8月のFC琉球戦までさかのぼる。だが、彼らは第102回天皇杯では壮絶なフィナーレを迎え、甲府は優勝候補の一角だったサンフレッチェ広島をも驚かせ、100年に一度の予想外の優勝を遂げたのだ」
とはいえ、「ピッチ上ではJ1の上位チームにJ2の下位チームが挑んでいる感じはしなかった」と評している。
「“風林火山”は、日本の武将・武田信玄の軍旗をモチーフにした甲府サポーターのモットーだ。『風のように速く、林のように静かに、火のように激しく、山のように堅固であれ』という意味。彼らはそのモットーを体現するがごとく、先制点を奪い、失点の場面以外は、後半終盤まで集中して守り続けた。対する広島は、最後まで緊張し、ナイーブになっているように見えた」
ちなみに、印象的な選手としてDF山本英臣の名前を挙げている。
「プロ選手として24年、そのうちの20年をヴァンフォーレに捧げ、活躍している。延長戦の後半に交代出場したDFは、腕にボールを当ててPKを献上し、最悪の悪役になりかけた。だが、盟友の河田晃兵が広島・満田誠のシュートをセーブし、試合はPK戦に持ち込まれた。そしてPKのキッカー5人目として登場した山本は成功し自らの名誉を回復して、クラブの歴史上、最も重要な瞬間を永遠のものとしたのだ」
また、23歳MF長谷川元希、FW三平和司にも言及し、「長谷川はチーム内の得点・アシスト王のテクニシャン。そして三平は貴重な先制ゴールを生んだ。ファンから最も愛され、アフロという新しいヘアスタイルで成功を収めたひとりだ」と賛辞を贈った。
日本に詳しい記者も予想しなかった“下剋上”。ボンテンポ記者は「山梨県のJ2のクラブが、来シーズンのアジア・チャンピオンズリーグ出場権を手に入れた。本当に驚くべきことだ」と心境を綴っている。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部