あわせて読みたい
波紋を広げた阪神・原口文仁のスイング判定、世界に発信される。米国の「誤審サイト」も取り上げる影響力に
10月12日から始まったCSファイナルシリーズは、セパともにリーグ優勝チームのヤクルトとオリックスが先勝して開幕した。結果だけを見ればともに大差がついた形となったが、試合結果以上に“ある判定”が大きな話題を呼んでいる。
阪神が3点を追う2回表、無死二塁での原口文仁の打席だ。
相手先発の小川泰弘と対峙した虎の元気印は8球もファウルで粘るなど意地を見せる。そしてフルカウントからの13球目、外角のフォークに原口は一瞬反応しながらも見送り、一塁へ走り出そうとしていた。
ところが、一塁塁審・山路哲生氏の判定は「ハーフスイング」。原口は珍しく不服そうに「え~!」と声を上げて、悔しそうにベンチへ戻っていった。もし、四球なら無死一、二塁となり、タラレバではあるが試合展開も分からなかった。結局、その裏の攻撃でヤクルトが1点を追加して流れは決まり、そのまま7対1でゲームセットとなっている。
試合後、矢野燿大監督はこの判定について言及し、「あれは振ってないでしょう。あれは、ちょっともう大事なところやからね」とコメント。阪神の糸井嘉男も自身のツイッターにて「うん!!振ってない」と言えば、試合を解説していた元ヤクルト監督の真中満氏も「これは振ってないですね。これは(ヤクルト)助かりましたね」、高木豊氏も「原口はこれだけは避けようと引きつけていた。これは全然、振ってない」と擁護している。
この“疑惑の判定”を巡っては、日本のツイッタートレンドでも原口らの名前が上位になる話題となったが、実は日本にとどまらない影響を見せている。『Welcome to the Ump Show』という、誤審ばかりを紹介するアメリカの人気ツイッターアカウントもこのシーンを取り上げていて、“世界”にも発信されることになったのだ。
審判の判定は、幸か不幸か試合の流れを大きく左右するもの。技術が発展した現代社会では一目で、誰もが“正確”に誤審かどうか分かってしまう。マイナーリーグでもストライクゾーンの機会判定が導入されており、いずれは日本にもそうした波が来るかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部