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北朝鮮がダム湖からSLBMを水中発射していたことが判明
10/10(月) 8:33
10月10日、北朝鮮が9月25日~10月9日に12発を発射したミサイルを纏めて公式報告しました。発表写真にはKN-23短距離弾道ミサイルのSLBM型が含まれています。驚くべきことに発射場所は内陸のダム湖からでした。
発表内容から9月25日~10月9日のミサイル発射を分析し直すと以下のようになります。
9月25日朝 泰川 KN-23・SLBM型×1 ※ダム湖から水中発射 ※核弾頭
9月28日夕 順安 KN-23拡大型×2 ※敵飛行場への攻撃訓練 ※核弾頭
9月29日夜 順川 KN-23×2 ※空中炸裂、直接精密、散布弾の攻撃訓練
10月1日朝 順安 KN-23×2 ※空中炸裂、直接精密、散布弾の攻撃訓練
10月4日朝 舞坪里 火星12×1 ※「敵」への警告目的の発射
10月6日朝 三石 KN-23×1、KN-25×1 ※敵指揮所への攻撃訓練
10月9日夜 文川 KN-25×2 ※韓国主要港湾への攻撃訓練
9月25日朝に平安北道の泰川の付近から発射されたミサイルは、市街地から10kmほど北にある泰川ダム湖(貯水池)からの発射です。公式発表では「我が国の北西部の貯水池水中発射場からの発射」という表現でした。水中にポンツーンを沈めた発射設備を内陸のダム湖に持ち込んでいたのです。
なお北朝鮮の公式発表文をよく読むと、ダム湖の水中発射場は試験発射設備ではなく実戦用の設備である可能性があります。公式発表文には「訓練の目的は戦術核弾頭の搬出および運搬、作戦時の迅速かつ安全な運用…」という表現で、試験発射を匂わせる内容が無く、実戦に即した内容の訓練になっています。これが実戦用の設備だとすると、世界初のダム湖に固定配備されたSLBMになります。
また9月28日発射のミサイルは北朝鮮の公式発表文に「南朝鮮作戦地帯の飛行場を無力化させる目的で行われた戦術核弾頭搭載を模擬した弾道ミサイル発射訓練…」という表現があり、戦術核ミサイル攻撃想定訓練だったことが判明しています。訓練内容は非常に実戦的で、具体的な核攻撃目標が飛行場であるという生々しい内容です。