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夜食は太るは本当だった。夜遅くに食べると空腹感が増し脂肪組織が変化することが判明
》》夜食は太る? 》》》》正解!
寝る前にちょっと小腹がすいて、夜食への誘惑に駆られることがあるだろう。だが、それはあなたを太らせようとする悪魔の甘い囁きだ。
『Cell Metabolism』(2022年10月4日付)に掲載された研究によると、夜遅くに食事をすると「空腹感が増すばかりか、消費カロリーが減少し、しかも脂肪組織の分子まで変化する」という。
これまでも言われていたことだが、夜遅くに食事をすると太りやすいことが改めて実証されたということだ。
アメリカ、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のフランク・シーア氏らが挑んだのは、なぜ夜に食事をすると太りやすいのか? という疑問だ。
これは単なるイメージではなく、過去の研究によって繰り返し示されてきたことだ。
夜に食べると、体脂肪が増え、肥満リスクが上がり、ダイエットを阻むとことが研究によって実証されているのである。
肥満はただ見た目だけの問題だけでなく、健康にも被害を及ぼす。世界的には成人6億5000万人が肥満と推定されており、ある意味流行病のようなものだ。
食事が遅いほどお腹がすくことが判明
シーア氏らの研究では、被験者の食事・運動・睡眠・光の曝露を厳密に管理して、遅い時間の食事が体にどのような影響を与えるのか検証された。
参加したのはBMI([体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値)の基準で過体重から肥満に当たるとされた16人。
彼らを、普通の時間に食事するグループと、遅めに食事するグループに分け、研究所でしばらく生活してもらった。
遅い食事グループは、普通グループよりも4時間遅く食事をとる。だが食事の量・睡眠・運動など、それ以外については基本的に同じ生活をしてもらう。
そしてこの間の体の状態(食欲・血液・消費カロリー・脂肪組織など)が定期的に計測された。
その結果、食事時間が遅いほど、お腹が空くことがわかったという。
夜食は脂肪組織を変化させ分解を抑制する
それは心理的なものではなく、体のレベルで感じている。たとえば、体が満たされたことを知らせる食欲調節ホルモン「レプチン」が減少することが確認された。
さらに遅い食事は、カロリーの燃焼を抑えてしまう。また脂肪組織の遺伝子を発現させ、脂質の形成をうながすと同時に、脂肪の分解を抑制することもわかった。
つまり、遅い食事と肥満リスクの増加とを結びつける、生理学的・分子生物学的なメカニズムが確認されたということだ。
研究グループによると、今回の発見は、夜に食べると太りやすいことを示したこれまでの研究と一致しており、そのメカニズムに新たな光を当てているとのことだ。
References:Medical Chronobiology Program (MCP) | Sleep Medicine / written by hiroching / edited by / parumo