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【羽田真代】韓国に流出したシャインマスカット、栽培技術が追いつかず味が微妙との声
有名な話だから今さら説明するまでもないが、シャインマスカットは広島生まれのブドウ栽培品種だ。日本の農林水産省が所管する農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)によって育種・登録されたもので、2006年には同機構が日本での品種登録も行っている。
韓国で流通しているシャインマスカットは、中国に流出した苗が韓国に売られて広まったものだが、それ以外にも、韓国農家が日本のブドウ農園を見学した際に、苗をいくつか持ち帰って増殖させたものがほとんどだ。
日本の農林水産省はシャインマスカットの苗を海外に持ち出すことを禁止しているのに、それでも海外に流出している。
もっとも、「植物の新品種の保護に関する国際条約」において、自国外におけるブドウの品種登録は自国内での登録から6年以内に行うようにと定められているから、日本が至らなかった部分もある。
現に、韓国では2014年に苗木業者が国立種子院に苗木の販売を申告した。だから、国内では合法的に苗木の売買が執り行われている。日本から見れば、不正に入手した苗で儲けるなんて……という気持ちでいっぱいだ。
加えて、韓国メディアは「最初に品種開発したのは日本だったが栽培技術が難しく、日本が品種登録をあきらめたところを、韓国が栽培と品質管理技術を確立させた」と嘘の情報を自国に垂れ流し、開き直っているからなおさら黙っていられない。
FNNプライムオンラインが韓国の農家を取材した時には、「日本側から見れば、盗み出したと考えるだろう。日本の農業は韓国の先を行っている。先進国の立場で大目に見て欲しい」と悪びれる様子もなかった。
シャインマスカットの苗が韓国や中国に流出したせいで、日本は年間100億円超の経済損失を出している。なにより、このブドウは開発に33年も要した渾身の力作だ。開発者の気持ちを考えるといたたまれない気持ちになる。
そんな中、韓国ではこのシャインマスカットの味を「微妙だ」と酷評する声が増えてきた。日本人が懸命に開発したこのブドウの何が悪いというのか。
(略)
結局、韓国のブドウ農家の多くには、不正に入手した苗木の品質を保てるほどの技術がなかったということだろう。それは、安定的にシャインマスカットを生産している日本のブドウ農家を見れば一目瞭然だ。
筆者は農業に携わったことがないが、素人ながら韓国の農家は土壌の改良もせずにシャインマスカットを育てていたのでは……と思う。実際、韓国のブドウ農家は日本のように剪定もしなければ土壌の管理もしないという話があるからだ。
管理をしないものだから、皮を吐き出すほどの強い酸味を感じるブドウが育ったのだろう。
何事も苦労なくして成功などない。シャインマスカットは日本が33年もかけて開発したブドウ品種だ。やはり日本人が育てるべきだったのだ。