阪神・湯浅ＷＢＣ意欲　子供の頃からの夢へ一歩　人生初の日の丸「機会無駄にしない」

　野球日本代表「侍ジャパン」は４日、１１月に行われる強化試合（５日・日本ハム戦、６日・巨人戦＝東京ドーム、９、１０日・豪州代表戦＝札幌ドーム）の代表メンバーを発表し、阪神から近本光司外野手（２７）、中野拓夢内野手（２６）、佐藤輝明内野手（２３）、湯浅京己投手（２３）がメンバー入りした。湯浅はシーズン同様に強気の投球をアピールすることを宣言した。

　目指していた場所へ－。人生初の日の丸を背負うことになった湯浅は喜びを口にした。

　「素直にうれしいですし、ずっと日本代表に入りたいと思って目標にしてやってきました。自分にとってもチャンスだと思いますし、機会を無駄にしないように、色んなことを聞きたいです」

　小学生の時には東京ドームで開催されたＷＢＣを観戦した経験があるといい、「イチローさんが打ったのは覚えてます」と思い出を明かした。おぼろげな記憶の中で、確かに芽生えた思い。「こういうところでやりたいなと、その時から思っていた。チャンスがあるならしっかり結果を残して、選ばれればなと思ってます」と来年３月に開催されるＷＢＣ出場へも意欲を示した。

　そのためにアピールするのは「真っすぐとフォークで、これまでと変わらず、強気にバッターに向かっていくところ」だ。今季は５９試合に登板して２勝３敗、リーグトップ４３ホールド、防御率１・０９をマーク。最優秀中継ぎのタイトルを獲得するなど飛躍の１年に磨いてきた武器を、日本代表・栗山監督らの前で披露するつもりだ。

　矢野監督も後押しする。「タイトルを狙うことが重荷になるかなというところもあったけど、あいつ自身がそこまで上り詰めた」と今季の活躍を称賛。「去年ファームに見に行ってる時も、こいつのボールはやっぱりいいなってずっと思っていた。内面もすごくしっかりしているし、強いんで」と太鼓判を押した。

　この日は甲子園での全体練習に参加。「楽しみながら走ろうかなと」と加治屋とともにアメリカンノックを行うなど笑顔で汗を流した。まずは目の前のＣＳへ向けて「疲労を抜ければ。その中でしっかり調整して、パフォーマンスを最大限に出せるように」と右腕。希望あふれる若虎が、夢舞台へと走り出した。