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ファンに愛される選手になりたいという思いが、自らを突き動かした。ドラフト1位で入団も関西国際大時代は右肘のけがで目立った成績を残せず。「『誰だ?』『大丈夫か?』と言われるのが耳に入ってきた」とのファンの否定的な意見が聞こえた。「自分の力で見方を変えていこう。僕次第だなって」と意識を変えた。悔しさもあったが、信頼を勝ち取るためには結果で示すしかなかった。「初めてセーブ失敗した時は悔しかったし、マウンドに上がる怖さはあった。そこで自分を貫けて壁を乗り越えられた」。どんな逆境にも負けない強い精神力でここまで走ってきた。
その姿に今では多くの人が魅了されている。帽子のツバには、9月の9連戦中に「勝つ」の文字=写真=が、知らぬ間に記された。「ロッカーが端っこで落書きしやすいのか、置いてたら誰かに書かれていた。多分、誠司さん。誠司さんの思いを背負って投げています」
大勢は笑ったが、思いのこもった文字だった。小林は「チームが勝つために大勢がいいところで投げているから大変やろうなって思いながらも、頑張っている。『勝つ!』という気持ちを込めて」とこっそり記したことを明かした。1日のDeNA戦(横浜)では8回無死満塁から3者連続空振り三振と圧巻の投球。重圧にも負けず戦い続けている若き守護神に心を動かされた、先輩からのエールだった。
チームはCS出場を逃し、自身もセーブ王とはならなかったものの、多くのファンの記憶に残る投手になったのは間違いない。それでも「今の現状に満足せずに2年目のジンクスというものもあるので、負けないようにやっていきたい」。さらなる飛躍を思い描き、オフを迎える。(水上 智恵)
来年誰が来ても歓迎したいわ