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【韓国】 済州に咲き誇る花「王桜」…日本から渡って来たという説と対立したが、原産地は日本ではなく「済州固有種」
晴天を見せる26日午前、済州西帰浦(ソキポ)市表善面(ピョソンミョン)鹿山路(ノクサンロ)での春の伝令菜の花と桜が満開になり、通る人の視線を集めている。 /聯合ニュース
https://www.chosun.com/special/special_section/2021/04/06/5WS674IE5RAIJJM3OKEICDDPYM/
済州の桜の花が絶頂になっている。韓国で一番最初に桜の便りを知らせる済州で満開になったこの桜は、国産だろうか、日本産だろうか。日本にも王桜(ワシントンDCの桜の木の群落が日本品種)がある。桜の中で花が大きく、王という文字が付く王桜は、桜の花であれば日本が原産であるという認識があるから、日本から渡って来たという推定が出てくる。
結論から言えば、済州王桜と日本王桜は、異なる種だ。そういう誤解を受けた発端は、1908年にフランス人宣教師であるエミール・タケ神父が漢拏(ハルラ)山の標高600m付近で自生王桜を発見したためだった。タケ神父からの標本を受けてドイツの植物学者ケーネ博士は、広く知られている桜の品種であるソメイヨシノ(染井吉野)と同じという評を出した。これによって、私たちの王桜が日本に渡ったという推定と日本の王桜が韓半島に伝来したという説が対立した。
結局、国立山林科学院が出てDNA分析を2001年に試みた。漢拏山の自生王桜と、韓国内に植栽された王桜、日本の王桜を対象にDNA分析をしたところ、多くの自生王桜は、植栽王桜および日本王桜とは異なるDNAを持っている一方、一部の個体は、日本王桜および植栽王桜と同じだった。山林科学院は、これを基に済州王桜が日本に渡って行き、韓国内の植栽された王桜は日本からまた持ち込まれてきたと分析した。
以後、2014年成均館(ソンギュンガン)生命科学キム・スンチョル教授の研究チームが、再びDNA分析によって、王桜が済州島自生のオルボッナム(※エドヒガン)とボッナム(※ヤマザクラ)、サンボッナム(※オオヤマザクラ)の複合体の交雑によって生じた種だと述べた。最終的には2018年、山林庁国立樹木園が明知(ミョンジ)大学、嘉泉(カチョン)大学の研究陣と共に、全体のゲノムを完全解読することによって、済州島の自生王桜は、済州島自生のオルボッナム(※エドヒガン)とボッナム(※ヤマザクラ)あるいはサンボッナム(※オオヤマザクラ)によって生成された第1世代の自然雑種で、日本王桜とは別種だという事実を明らかにした。
桜は花だけが良いのではない。花に香りはあまりないが木は使い道が多かった。高麗時代にモンゴル軍を仏経をもって防ごうと八万大蔵経を作ったが、その版の60%が山桜で作られた。電子顕微鏡を用いた調査結果だ。桜の種類は、横方向に皮が裂けて平たく取り剥がせる上、表面も滑らかなおかげだ。その桜の皮を「花被」と呼んだ。やはり弓を作成するために大事な材料だった。
現在、全国で古い桜の木といえば、2017年に発見された済州市奉蓋洞(ボンゲドン)のケオルム王桜(樹齢268年)と求礼(クレ)の華厳寺(ファオムサ)境内のオルボッナム(※エドヒガン、[樹齢3百年以上と推定])がある。
朝鮮日報(韓国語)
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