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秋季高校野球岩手県大会・準決勝 花巻東・佐々木麟太郎 142メートル場外弾で中田翔超え88号!東北大会導いた
<盛岡大付・花巻東>
3回に右越え場外弾を放った佐々木麟
◇秋季高校野球岩手県大会準決勝 花巻東7―6盛岡大付(2022年9月25日 岩手県営)
今春選抜に出場した花巻東(岩手)が秋季県大会の準決勝に臨み、盛岡大付に7―6で競り勝ち、7年連続22度目となる東北大会(10月10日開幕、山形)への出場を決めた。佐々木麟太郎主将(2年)は「3番・一塁」で出場し、3回に高校通算88号の右越え場外2ランを放つなど2安打2打点。26日は岩手の頂点をかけて専大北上と決勝を戦う。
岩手県営野球場の右翼席の奥に駐車していた花巻東の送迎バス。近くで座ってくつろいでいた運転手は「ドン!」という衝撃音に驚く。付近のイチョウの木の下に転がった白球。本塁からは142・3メートルもある(スポニチ本紙計測)。「まさか、ここまで飛ばしたのか…」。場外弾と認識するまでには時間が必要だった。
球場がどよめきに包まれた衝撃のアーチ。打ったのは佐々木麟だ。0―3で迎えた3回2死一塁。内角直球を振り抜くとバットを持ったまま打球の行方を追い、右翼芝生席を越えて場外に消えるまで見届けた。「自分の一打で流れをつくりたかった。攻撃のリズムをつくっていけたのはよかった」。歓声の中でベースを一周。盛岡大付が握っていた試合の流れは一変した。
岩手を代表する強豪校対決。お互いに一歩も引かない接戦を決したのは怪物スラッガーの意地だった。6―6で迎えた7回先頭。遊撃へゴロを放ち、一塁への気迫のヘッドスライディングで内野安打とした。昨年12月に両肩を手術していたが「執念を出していきたかった」と迷わず飛び込んだ。その後、相手の失策の間に決勝点となるホームを踏み、父・洋監督は「何とか(塁に)出たい気持ちはみんなに伝わったと思う」と笑みを浮かべた。
高校通算本塁打は88とし、大阪桐蔭・中田翔(現巨人)の87発を超えた。佐々木麟は中田に対し「憧れ、尊敬もあります」としたが「記録は関係なく、チームが勝つためのバッティングをしていきたい」と表情を引き締める。先輩である大谷翔平(現エンゼルス)、大船渡の佐々木朗希(現ロッテ)ら怪物たちの躍動を見届けてきた同球場は老朽化もあり、26日の専大北上との決勝が高校野球の主要大会ではラストゲーム。「最後に花巻東として感謝の気持ちを伝えていきたい」と特別な思いを胸に挑む。(柳内 遼平)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a442daca78776f7318db4d115571159707f037a0