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【朝鮮日報コラム】海外から見て韓国は三流国家、米国にとっては三流同盟
北朝鮮と中国ばかりをみつめる韓国への期待はなし
「人権問題から顔を背ける言論統制国」との警告も
民主、法治、感染対策、経済の全てで墜落
つい先日ある外交筋に会った。この人物は「米国のバイデン大統領は日本の菅首相とは来月対面で首脳会談を行うが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とは当分会わないだろう」と述べた。「完全に行き詰まり状態にある韓日関係を放置し、北朝鮮や中国に対する政策でも歩調を合わせないので、今会う理由はない」ということだ。米国のこのような雰囲気は韓国側にも伝わっているという。
先日の韓米による外相・国防相会議でも韓米首脳会談は一切話題にならなかった。米国側の雰囲気は「もしかすると」から会議後には「やっぱり」に変わったという。文在寅政権の関心は「ただひたすら北朝鮮」で、同盟国よりも中国の顔色を必死でうかがっていた。同盟国として韓国には何も期待できないという失望が非常に大きかったというのだ。直前の日本訪問では現地の雰囲気は大きく違っていた。米国と日本は中国あるいは北朝鮮の核問題といったあらゆる懸案で歩調を合わせた。日本が米国にとって「1級同盟国」としての立場を固める一方で、韓国は「2級」どころか「3級」にまで落ちてしまったとの評価も出ている。
米国は中国をけん制するため韓米日による安保協力を常に要求してきた。米国、日本、インド、オーストラリアによる安保協議体「クアッド」にも韓国が加わることを望んでいた。中味のない「首脳会談イベント方式」の北朝鮮との交渉にも反対した。それでも韓国政府は「クアッドを巡る話し合いは行われなかった」として参加を事実上断った。米国が強調する「非核化」「中国」「人権」も共同声明から抜け落ちた。韓国はトランプ前政権で行われ流れてしまった「シンガポール会談」の継承ばかりを訴えている。韓日関係については「改善したい」と言いつつも、実際は何の対策も語られなかった。米国は表向きは「韓米同盟は強固」と口にするが、その裏では「中味がない形だけのもの」と感じているはずだ。
バイデン政権は「自由・民主・人権」を前面に出す「価値観同盟」を新たに構想している。しかし韓国は北朝鮮と中国を意識しこれとは距離を置いている。その距離が広がれば広がるほど、韓国は米国にとって「あってもなくてもよい国」になるだろう。韓米同盟が三流になれば、韓国における安全保障も三流になる。米国の支持がないのに北朝鮮が韓国との対話に応じるだろうか。それどころか核やミサイルで脅迫し、日常的に挑発行為を続けるだろう。中国が韓国を力で押さえ込もうとするのは分かり切っている。北朝鮮には経済支援の考えまで表明した。日本も堂々と韓国を無視するだろう。
米国務省は人権報告書の中で、「韓国政府による脱北者団体への抑圧」や「対北ビラ禁止法」を批判した。国連も文在寅政権の人権問題について18回指摘した。韓国政府は国連の北朝鮮人権決議案の共同提案国に3年連続で参加しなかった。これについては「かつて人権弁護士だった大統領がいる国が人権問題から顔を背けている」として厳しい批判を受けている。国際新聞編集者協会(IPI)は韓国について「ロシアやフィリピンのような言論統制国に追加するかもしれない」と警告した。外国人に対してコロナ検査を義務づけたことについては各国から「人権侵害」と抗議を受けている。故・朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長と呉巨敦(オ・ゴドン)前釜山市長によるセクハラ、チョ・グク元長官による不正行為、尹美香(ユン・ミヒャン)議員による不正なども米国の人権報告書に記載された。海外から見て韓国は国としての格が三流に転落する屈辱的な状況になっているのだ。
今、韓国国内では不動産政策の失敗により住宅価格が高騰しているが、その一方で公務員たちは不動産投機に熱を上げている。政権による不正を隠すため検察を無力化し、法治を崩壊させたのだから、これでは独裁国家と全く変わりがない。政権によって憲法機関を掌握され、三権分立が崩壊し、民主主義まで危機的状況に追い込まれている。1人当たり国民所得は3万ドル(約330万円)代前半から2年連続で低下傾向にある。K防疫を自慢したかと思えば、実際はワクチン接種で100位以下の国になった。文在寅政権の4年間で同盟関係は揺らぎ、国の実態は悲惨この上ない。経済規模が世界10位の大韓民国が「三流同盟」「三流国家」へと今も墜落を続けている。
朝鮮日報
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