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阪神・陽川 鍛え続けた努力報われた492日ぶり弾 矢野監督も称賛「一発で流れを変えてくれた」
◇セ・リーグ 阪神4-5DeNA(2022年9月20日 甲子園)
ゴリラポーズが甲子園を震わせた。阪神に敗色ムードが覆いはじめた空気をひと振りで陽川が変えた。8回無死から代打で4番手・エスコバーと対戦。ベンチで出番を待った男のバットから快音が飛びだした。
「2球で追いつかれてしまったけど、何とか食らいついていった」とカウント0―2から156キロをファウルし、ボールになる変化球をしっかり見極めた5球目。155キロ直球は左翼ポール際に飛び込む1号同点ソロ。諦めない姿勢を背番号55が体現した。
1軍登録と抹消を繰り返し、今季出場41試合目、69打席目に飛びだした飛距離112メートルの魂のアーチだ。鳴尾浜でも甲子園でも変わらず、自分のスイングを求め、体を鍛え続けた努力が報われ、一瞬ではあったが、ベンチに勇気と笑顔を取り戻した。
「とにかく塁に出ることだけを考えていた。しっかりと自分のスイングが出来たし、最高の結果になって良かった」
21年5月16日の巨人戦(東京ドーム)以来、492日ぶりのホームラン。矢野監督も「一発で流れを変えてくれた」と勝負強さを認めた。起死回生の一打も勝利にはつながらなかったが、陽川はまだまだ諦めない。闘志は熱い。(鈴木 光)