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『ちむどんどん』暢子と和彦は次の世代に何を残す? 2人の背中を押す戸次重幸の言葉
ーーちむどんどんーー
✦✦✦暢子と和彦は次の世代に何を残す? 2人の背中を押す戸次重幸の言葉✦✦✦
舞台は4年後の1984年へ。その名の通りすくすく元気に成長した健彦(三田一颯)を連れ、里帰りした暢子にある心境の変化が現れた。
生命力に溢れた亜熱帯の森に、どこまでも透き通るコバルトブルーの海。暢子の“ふるさと”であるやんばるは決して便利ではないが、豊かな自然に恵まれた素晴らしい土地だ。暢子と和彦にそのことを教えてくれたのは、和彦の父・史彦(戸次重幸)だった。2人はやんばるの地で、史彦がくれた言葉を思い出す。
「最初はなかなか馴染めなくても、思い切って一歩踏み出したら何とかなる」
沖縄での暮らしを経て、そう学んだ幼き日の和彦(田中奏生)はアメリカ留学を決意。そんな息子を史彦は
「思ったとおりにすればいい。応援するよ」
と鼓舞した。時を経て、その言葉は迷いの最中にある現在の和彦をも励ます。史彦が遺してくれたやんばるの実地調査のノートを見つめる和彦の瞳は何かを決意したようだった。
✦✦✦暢子(黒島結菜)も史彦(戸次重幸)の言葉を思い出す✦✦✦
同じ頃、暢子は健彦と思い出の場所を訪れる。
それは幼い頃に暢子(稲垣来泉)が必死で実を取ろうと手を伸ばしていたシークワーサーの木がある場所。
あの時、史彦は暢子の代わりに実を取ってくれた。
「いつか暢子ちゃんが大きくなって、今の暢子ちゃんみたいな子にシークワーサーの実を取ってあげる時がきっとくるから。そしたらもう一度考えてみるといい。この村が本当につまらないかどうか」 その言葉通り、暢子は健彦にシークワーサーの実を取ってあげられる大人になった。
ここでは、シークワーサーの実がひとつの“バトン”として描かれている。
次の世代に何を残すか、暢子と和彦は最後にその答えを見つけようとしているのだろう。