“天気が良いと不審者が増える”とも(Ichinose / PIXTA)
「全裸でごめんなさい、お金あげるから今から遊ばん?」
「おじさんをひいて殺してくれ、殺して転がして川に落としてくれ」
時に突拍子もないセリフを、見ず知らずの人に投げかける“不審者”。その出没情報が、全国の自治体や警察から1日に200~250件ほど公表されていることを知っているだろうか。
これらを集約し、配信しているのが「日本不審者情報センター」。情報をどのように活用すれば不審者から身を守ることができるのか。また、日々多くの不審者情報に触れるスタッフも驚いた“理解不能”なセリフや行動とは…? 創設者・代表の佐藤裕一さんに話を聞いた。
「ペンギンを一緒に探して」
まずは、佐藤さんをはじめとする日本不審者情報センターのスタッフを驚かせた不審者のセリフや行動を、その特徴別に紹介する。
【露出】
猫耳型カチューシャと、紐または下着のような物を身につけ、体のほとんどを露出し、菜の花畑で自撮りしているのが目撃された(三重、2019年2月)
薔薇をくわえ、自分のスカートをめくり、児童らにパンツを見せた(新潟、2020年4月)
自分の服をめくり、洗濯バサミを付けた体を、女児らに見せた(鹿児島、2021年10月)
全裸で、包丁のような物を持ち、走っているのが目撃された(兵庫、2020年4月)
【ペンギン】
通行中の女子学生を追い抜き、振り返り、声をかけた 「ペンギンと散歩していてペンギンがいなくなったのを知りませんか」「一緒に探してください」(兵庫、2022年8月)
女子学生に声をかけた 「ペンギンがいなくなった、一緒に探して」(愛知、2022年5月)
通行中の女性に声をかけ、個人情報を尋ねた 「飼っていたペンギンがいなくなったので一緒に探してほしい」(静岡、2021年11月)
【投げた】
パトカーに向かっておにぎりを投げた(広島、2021年2月)
下校途中の児童に、後ろからキュウリを投げた(大阪、2020月8月)
【声かけ】
男児に声をかけ、1万円札を渡した 「名前なんていうの?」「こっち来て」「これあげる」(埼玉、2022年7月)
遊んでいた女児に声をかけた 「しいたけ、しいたけ」(東京、2022年7月)
【その他】
上履きと液体が一緒に入ったプラスチック容器を持ち、この容器の液体を飲みながら歩いているのを、下校途中の女子生徒らが目撃した(静岡、2022年2月)
昆虫のような姿で、うろついているのが目撃された(愛知、2020年9月)
これらはすべて、全国の自治体や警察から公表された情報だ。はたから見れば冗談のようなセリフや行動ばかりだが、実際に遭遇したらと想像すると恐ろしい。
日本不審者情報センターのスタッフも、「特徴的な情報はたくさんありますけど、個人的にはこの仕事をするようになって『想像以上に下半身露出が多い』ことに一番驚いています」「『お母さんが倒れたから病院に行こう! 車に乗って!』みたいな、明らかに騙して連れて行こうとする人が日常的に出てくるのでゾッとしています」と語る。