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「ちむどんどん」がNHK朝ドラ史に爪痕を残した理由とは?〈週刊朝日〉
「ちむどんどん」
がNHK朝ドラ史に爪痕を残した理由とは?
■朝ドラ史に爪痕 ある意味記念碑
ただ、希望がないわけではない。
前述のようにSNS上では「#ちむどんどん反省会」の名のもとに毎朝、多くの熱い議論(ツッコミ?)が交わされているわけで、注目度は高いとも言える。
悪名は無名に勝る、という考え方もある。 「不評の割に視聴率が下がらなかったのは、視聴から脱落する人が一定数いる一方、SNSでバズっているのを知り、『反省会って何?』と怖いもの見たさで見始めた人がいたこともあるでしょう。
また、コロナと相次ぐ値上げで人々がむしゃくしゃする中、SNSに書き込んだり、反省会の投稿を読んでストレスを発散したりするための格好の『ヒール(悪役)ネタ』となった面もあると思います」(西川氏)
カトリーヌさんは、一周回ったこんな楽しみ方を勧める。
「もうこうなったら、『絶対に突っ込んではいけない朝ドラ』という感じで、むしろ修行の思いで見る。『また今日も突っ込んでしまった』、みたいな(笑)。
今後の作品を鑑賞する際も、『いや、ちむどんどんに比べたら』『ちむどんしちゃったな』などと引き合いに出されそうで、ある意味、歴史に爪痕を残した記念碑的作品とも言えます」
NHKに視聴者の声やSNS上での反応は届いているのか。質問を投げかけると、広報局から次のような回答があった。
<制作過程についてはお答えしておりませんが、厳しいご意見を含め、さまざまなご意見をいただいていることは、とても参考になり、ありがたいと思っています。
番組は今後、放送最終盤を迎えますので、支え合い成長していく主人公とその家族の展開と結末を楽しんで御覧いただければと願っています>
終わりよければすべてよし、有終の美を飾り、反省会にあけくれた日々を懐かしく感じる<#ちむロス>なんて現象が起こるかもしれない。
(本誌・太田サトル)
※週刊朝日 2022年9月23・30日合併号