あわせて読みたい
【テドロス事務局長】「この報告書は非常に重要」WHOコロナ報告書「武漢研究所からの流出可能性は極めて低い」
WHOの国際調査チームは30日、報告書を公表し、ウイルスは自然界から中間的な動物を媒介してヒトへと広がった可能性が「非常に高い」と指摘した一方、武漢にあるウイルス研究所から流出した可能性は「極めて低い」としました。
国際調査チームは今年1月から2月にかけて中国入りしていましたが、今回の報告書は中国側と共同でまとめた形をとっています。
報告書ではコロナウイルスとコウモリやセンザンコウとの間に高い関連性があり、新型コロナウイルスを保有している可能性があるとはしているものの発生源だとは特定しておらず、中間的に媒介した動物も何かは示していません。
テドロス事務局長は声明で、「この報告書は非常に重要な始まりだが終わりではない、私たちはまだウイルスの発生源を発見しておらず、これからも科学的に追究し続け、手をこまねいてはならない」としています。
WHOが公表した報告書について、日本やアメリカ、イギリスなど14か国は、共同声明を発表しました。声明は、WHOの調査について、「調査の実施が大幅に遅れ、完全なオリジナルのデータ及び検体へのアクセスが欠如していた」と指摘。そのうえで「WHOが中国で実施した調査について、共通の懸念を表明する」と強調し、専門家主導による第2段階の調査の必要性を訴えました。
また、「関連する全てのヒト、動物、環境のデータ、研究、発生初期段階に関わった当事者に完全にアクセスできることが極めて重要」だとして、中国を念頭に正確な情報の開示を求めています。
一方、中国外務省は30日夜、声明を発表し、報告書は「科学的で、専門的な精神を示した」などと評価しました。その上で、「ウイルスの起源をめぐる問題を政治化することは、世界的な協力を著しく阻害している」と主張。「起源については世界的な課題であり多くの国で調査すべきだ」として、武漢がウイルスの発生源だと主張するアメリカなどをけん制しました。
TBS NEWS 31日 9時08分
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4234868.htm