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スポーツ名門・木更津総合高校 サッカー部で3年生20人が退部 丸刈り強要、空気椅子で勉強…
https://bunshun.jp/articles/-/57233
スポーツ名門校として知られる千葉県の木更津総合高校のサッカー部で、監督ら指導者のパワハラを理由に3年生の部員30人のうち20人が退部していたことが「 週刊文春 」の取材でわかった。
木更津総合高校は1963年創立。約1900人の生徒を擁する千葉県内最大級の私立高校だ。春4回・夏7回の甲子園出場を誇る硬式野球部、インターハイ常連の柔道部をはじめ、多くの部活が全国レベルの実力を有している。サッカー部も約80人の部員ほぼ全員がスポーツ推薦で入学している強豪で、昨年までは千葉県のU-18サッカーリーグで1部に所属していた。
そんな木更津総合高校サッカー部に関して、〈監督の体罰が横行している〉という匿名の“通報”があったのは今年6月下旬のこと。
「X監督とコーチの指導が『パワハラではないか』との指摘がこれまで何度も寄せられていたのです」(学校関係者)
X監督は生活指導の担当教員で「部員の生活態度に厳しい。サッカー部にはX監督の“独自ルール”が存在している」(同前)。ただ、その独自ルールにはパワハラとの指摘が相次いでいるという。
1年生部員・A君の父親が明かす。
「漢字テストで赤点を取った部員にグラウンド脇に置いた机で、中腰の状態、つまり“空気椅子”で勉強をさせています。またコロナの感染対策として、サッカー部員だけ食堂が利用禁止。仕方なく部室の外で弁当を食べているそうです。従わない選手は干されるので、皆、X監督に怯えています。息子も部活に行くことが怖くなり、8月末に病院で適応障害の診断を受けました」
“丸刈り”強要、約30人いた部員のうち20人が退部
さらに、木更津総合高校のサッカー部員は“丸刈り”を強要され、現在は皆が坊主頭だという。前出のA君の父親が言う。
「坊主にするのを躊躇った息子は、コーチに『お前の居場所はない』と言われました」
こうした指導が続いた結果、現在の3年生は入学時に約30人いた部員のうち20人が退部し、10人になってしまった。
木更津総合高校にX監督の指導方法についての事実関係の確認と見解を求めたところ、以下のような回答があった。
〈いただいた質問項目の中には、明らかに事実ではない、もしくは事実誤認と思われるものが複数含まれておりますが、サッカー部に関する案件は、既に報告を受け慎重に調査を進めております。事実確認やそれに対する評価、監督への対応、生徒・保護者への対応その他諸々については、専門家の意見も仰ぎながら適切に判断していく所存です〉
〈一個人の一方的な申告による、事実に基づかない、特定の個人への誹謗中傷や名誉棄損にあたるようなものにならないことをお願い申し上げます〉
名門校のサッカー部で今、何が起こっているのか。
小誌はX監督とコーチが保護者と指導方法をめぐり口論している音声を入手。9月7日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および9月8日(木)発売の「週刊文春」では、サッカー部員の“丸刈り強要事件”、丸刈り強要に対するJFA(日本サッカー協会)の見解、X監督への直撃取材の様子などを音声と共に詳しく報じている。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年9月15日号