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【ダメージは韓国だけ】「反日、反韓は政権の人気管理には役立っていたかもしれませんが、国益に役立たず双方が敗北」
延世大学新村キャンパスで9月3日午後、韓国と日本の国民およそ200人が集まり、2019年に韓国国内で繰り広げられた反日不買運動、いわゆる「ノー・ジャパン(NO JAPAN)」を振り返る座談会が開かれた。この日のイベントは、韓国で20年以上日本語講師として活動している久保沢明子さん(韓日親睦団体『楽しく繋〈つな〉がる』代表)が準備した。コロナ・パンデミックの後、韓日の国民が大規模にオフラインで集まるのは今回が初めてだ。久保沢さんは「外の風に揺るがない韓日関係のため、まず虚心坦懐(たんかい)に打ち明けることが重要だと思った」と語った。
韓国人と結婚して4人の子をもうけた主婦カウンセラーから、駐在員や留学生、二重国籍者などからなる韓日の参加者らは「韓国の反日不買運動と『ホワイトリスト』に象徴される日本の対韓輸出規制は何ら国益に役立たず、双方が敗北した」と口をそろえた。元ユニバーサルスタジオ韓国事務所長で、現在は旅行関連業に従事する小峰明さんは「反日運動が始まってわずか2カ月で日本関連の観光商品の90%が飛んでいってしまい、両国で数多くの旅行業従事者が仕事を失い、生計の困難に見舞われた」と語った。韓日二重国籍者でNGO(非政府組織)代表のキム・ヨンギョンさんも「堂々と『韓国が好き』『日本が好き』と言えず、嫌悪に伴う相当な不安まで感じた」と語った。
出席者間の小規模な討論では「韓国と日本は似ているだろうと錯覚するが、飲食店でのはしの置き方、酒の注ぎ方すら違う」「ひとまずお互いの差異から認めて、その上でコミュニケーションを取るべき」との声が聞かれた。「料理、文化など互いに好きな点に集中し、十分に楽しむことが優先」というわけだ。日本で政治学の博士号を取ったクォン・ソンジュ延世大学客員教授は「歴史問題においてぞんざいなことを言う政治家と一般の日本人を切り離して対応すべきだったのに、お互いが感情をぶちまけて当たり散らすばかりだった」とし「まず十分に対話して意思疎通し、難しい問題は最後になって解決する、息の長い『出口論』が今の韓日関係にも必要」と語った。
相互の足りないところも虚心坦懐に共有した。クォン教授は、2019年に当時の一部の日本人が「韓国の人々は日本のビールを飲まなかったらおかしくなってしまう」と発言したことを挙げ「反日運動を爆発させる触媒になった」と指摘した。逆に久保沢代表は「歴史問題に関連して歴代の日本の首相や閣僚が何度も謝罪したのに、韓国国民はよく知らないようだ」とし「メディアなど責任ある韓国のオピニオンリーダーがこうした側面をきちんと説明してほしい」と注文した。
参加者らは、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領就任後の韓日関係改善に対する期待感を見せ「親日派、親韓派のレッテルを貼られると思って声を出せない人々は多いが、私たちが連帯し、強力な民間交流を通して意思決定権者の勇気ある選択を支えてあげよう」と語った。韓国人の夫と結婚して4人の子をもうけたカウンセラーの日本人女性は「2019年以降交流が事実上絶えた状況でも、防弾少年団や韓国コスメに対する日本人の関心を肌で感じることができる」とし「旅行交流が本格的に再開されたら雰囲気は変わり、『ノー・ジャパン』が『イエス・ジャパン』になるだろうと信じている」と語った。
朝鮮日報
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