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中日・福留孝介(45)が現役引退へ 球界最年長の日米通算2450安打 首位打者2度、MLB、阪神でもプレー
2000試合出場を達成し、記念のボードを掲げる福留=2021/10/10
中日・福留孝介が現役引退へ 球界最年長の通算2450安打 首位打者2度、MLB、阪神でもプレー
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球界最年長の中日・福留孝介外野手(45)が7日、現役引退する考えを固めた。1999年に入団し、07年に米メジャー挑戦。阪神をへて、昨季14年ぶりに竜に復帰した。昨季はスタメンに代打の切り札として頼られたが、今季は22試合出場で23打数1安打、打率4分3厘。心の声を聞き、球団と話し合い、プロ24年のキャリアに終止符を打つと決めた。近く会見して思いを打ち明ける。
福留は大汗を流して走っていた。雨を吸い込んだ芝生が太陽に照らされる。湿気でムンムンした2軍・ナゴヤ球場。ダッシュしてスパイクに履き替えてキャッチボール。ルーキー鵜飼の胸に放った。日常との違いは、引退を決めて臨んだ練習だったことだった。
大きなモチベーションを胸に開幕した。昨季はスタメンや勝負どころでの代打などフル回転。91試合の出場で出塁率3割1厘と名球会会員の顔を利かせた。
プロ24年目。竜入団時の「チームの精神的支柱」で、かつPL学園高の先輩・立浪監督が就任した。「個人的な目標なんてない。チームとして何とか優勝争いに入っていく。そういうシーズンにできたらいい。新しいチームで、自分が少しでも手助けができるようにやっていきます」。目を輝かせていた。
結果は6月中旬に出場選手登録を抹消され、そのまま2軍暮らし。優勝争いできずにチームを去るのは苦しい。ただ、このままプレーし続けて指揮官の重荷になるのはもっと避けたかった。今月上旬、球団首脳と話し合った。今後の振る舞いとして、おぼろげながら感じていた「引退」の輪郭がハッキリした。
球界を代表するプレーヤーになった。竜戦士としての2006、米移籍後の09年、WBCでは世界一に貢献した。06年、準決勝・韓国戦では代打で決勝2ラン。実況の「生き返れ、福留」は名文句となって語り継がれている。
NPB通算2022試合出場で1952安打、409二塁打、285本塁打、打率2割8分6厘。メジャーでは2008年からの5年間で596試合出場し、498安打、42本塁打。通算2450安打は記録にも記憶にも刻まれている。
近く実施される会見では、どんな表情で、何を語るのか。球団は本拠地最終カードとなる23日からの巨人3連戦のいずれかで、セレモニーを実施する方向で調整している。
▼福留孝介(ふくどめ・こうすけ) 1977年4月26日生まれ、鹿児島県出身の45歳。182センチ、90キロ。右投げ左打ち。PL学園3年の95年ドラフトで7球団競合の末、近鉄に指名されたが、入団を拒否して日本生命へ。99年に逆指名で中日にドラフト1位入団。2007年オフに海外FA権を行使してカブスに移籍。メジャーで5年間過ごし、13年に阪神入りし、21年に中日復帰。96年アトランタ、04年アテネ五輪出場。WBCは06、09年の2大会連続優勝に貢献。首位打者2度(02、06年)、最高出塁率3度(03、05、06)のタイトルを獲得。06年はMVP。ベストナイン4度、ゴールデン・グラブ賞5度。
◆PL学園出身選手 福留の引退により、PL学園出身の現役選手は米大リーグ・ツインズの前田健太と、2019年に東洋大からドラフト7位でオリックスに入団した中川圭太の2人だけになった。80年代に清原和博や桑田真澄、立浪和義、90年代には今岡真訪や松井稼頭央など多くの選手を輩出してきたが、中川は16年に野球部が休部となった同校出身最後のプロ選手と言われている。最近では11年に中日に入団した吉川大幾が巨人に移籍後、20年限りで引退した。