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緑色の信号を何故、青信号と呼ぶの?
道路の交差点にある信号機の色には「緑・黄・赤」の3色が用いられている。
しかし、日本では「緑色の信号」を「青信号」と呼ぶ。
人間が色を区別するのに感度が良い組み合わせが「緑・黄・赤」の3色だとされ、信号機の色は世界的に共通している。
しかし、世界的には「green(緑)」と呼ばれ、「青」と呼ぶのは日本だけである。
これは日本で最初に信号機が設置された時に、新聞で「青」と報じたことに由来すると言われている。
その最初の信号機は、1930年(昭和5年)に東京・日比谷の交差点に設置された。
当時の新聞記事(1930年3月18日 東京朝日新聞)には「人手を借りず交通整理」という見出しとともに、信号機の3色を「青、黄、赤」と紹介した。
記事にはその信号機の写真も掲載されたが、カラーではなく白黒のため実際の色は分からなかった。
現在と同じように「緑色」をしていたその信号を読者は「青信号」と認識し、それが広まっていったという説である。
もともと日本にあった色の言葉は「白・黒・赤・青」の4色だけで、「緑」は「青」の中に含まれていた。奈良時代末期に成立した日本最古の和歌集『万葉集』では、「木々の緑色」を「あを」と表現していた。
「緑(みどり)」という言葉の語源は「みずみずしい」であり、「緑」は「新緑の若葉」を表す色だった。
そして、その後に「青」の中から「緑」が区別されるようになったが、日本人には「緑色のもの」を「青」と呼ぶ習慣が残っている。
例えば、「緑色の野菜」は「青菜」と呼び、「緑色の虫」は「青虫」と呼ぶ。
その他にも「青りんご」や「青のり」「青汁」「青々とした草木」のような使われ方がされる。
このような習慣から「緑色の信号」を「青信号」と呼ぶことに抵抗感はなく、「青信号」という呼び方が定着したと考えられている。