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【台湾企業】 TSMC「2025年に2ナノ製品生産」…再びサムスン電子を「牽制」
世界1位のファウンドリー(半導体委託生産)企業である台湾TSMCが、自国内に半導体工場を作ろうとする国が増え、物価上昇により生産コストが急速増加しておりサプライチェーン不安が続くものと予想した。
ブルームバーグと日経アジアなど外信によると、TSMCの魏哲家最高経営責任者(CEO)は30日、台湾の台北で開かれたTSMC年次技術フォーラムで「50セントから10ドルのチップ不足が6000億ドル規模の半導体産業を揺さぶっている」と警告した。
TSMCは「これ以上レガシー(旧型工程)工場で低価格チップに対する需要を満たすことがでず新しい工場を作っている。10-12月期に生産を始める中国の新しい28ナノメートル工場も含まれる」と明らかにした。
魏CEOは「オランダの半導体装備メーカーASMLは極端紫外線(EUV)露光装備用の10ドルのチップを確保するのに苦慮している。50セントのチップのために5万ドルの自動車生産が遅れている」と話した。続けて「効率的でグローバル化された供給システムの時代は過ぎ去った。自国内に半導体工場を作るために競争する国が増え生産コストも増加している」と話した。世界的インフレも生産コスト上昇の要因だと指摘した。
◇「顧客の設計流出の心配ない」サムスン牽制も
また、魏CEOは「2000人の研究陣を抱えるTSMCは商品を設計できる能力はあるが、絶対に自社製品は作らない。顧客はTSMCに設計を奪われる心配をする必要はない」と強調したりもした。業界はこれをファウンドリー専門企業のTSMCが総合半導体メーカーの競合会社であるサムスン電子を狙った発言だと解釈した。業界では生産と設計事業をともにする半導体メーカーにファウンドリーを任せる場合、技術流出の可能性があると懸念したりもする。
市場調査会社のトレンドフォースによると、1-3月期のファウンドリー市場のシェアはTSMCが53.6%、サムスン電子が16.3%、UMC(台湾)が6.9%の順だった。シェア格差は大きいがサムスン電子はゲートオールアラウンド(GAA)技術を適用した3ナノ製品の量産を発表しTSMCを刺激している。
TSMCもやはり来月に既存のFinFET方式で3ナノ量産に突入し、アップルが独自設計した「M2プロ」チップを生産するという。この日魏CEOは「2ナノ製品を2025年から量産するだろう」と話し、これに先立ち2025年に2ナノ製品の量産計画を明らかにしたサムスン電子との競争がさらに激しくなる見通しだ。
中央日報日本語版
https://news.yahoo.co.jp/articles/875cc1c703d4e63165e3e3e80d89982b8afb9fdb