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W杯公式ボール “前回より2個分曲がる” 専門家が実験
2022年8月24日 21時51分
ことし11月に開幕するサッカーのワールドカップカタール大会で使われる公式ボールについて、専門家が調べたところ、25メートルの距離のフリーキックをプロ選手が蹴ることを想定して比較した場合、前回大会の公式ボールよりもボール2個分、曲がり幅が大きいなど、カーブがかかりやすい特徴があることがわかりました。
サッカーのワールドカップカタール大会の公式ボール「アル・リフラ」は、大小2種類の形状が異なるパネルを20枚を使って空気抵抗を減らす工夫が施されていて、さらに表面に細かい起伏をつけることでボールが飛ぶ際の安定性などを高めているということです。
2002年の日韓大会以降、ワールドカップの公式ボールの特徴を調べてきた、工学院大学の瀬尾和哉教授は、強い風を当てて蹴られたボールが飛ぶ状況を再現する実験を行い、「アル・リフラ」と前回ロシア大会のボール「テルスター」を比較しました。
その結果、「アル・リフラ」は「テルスター」に比べてバックスピンをかけた場合はボールを浮かせる力が大きく、サイドスピンの場合はカーブしやすい特徴があることがわかりました。
このうちサイドスピンについては、ゴールまで25メートルの距離のフリーキックをプロ選手が秒速28メートルのスピードで1秒間に6回転をかけて蹴ることを想定し、それぞれボールの軌跡をシミュレーションしました。
そしてゴールに到達するまでの時間は1.071秒と、まったく同じでしたが、「アル・リフラ」のほうが42センチ、ボールの大きさにしておよそ2個分、曲がることがわかったということです。
また、ゴールキックについてのシミュレーションでは飛距離はほぼ同じでしたが、「アル・リフラ」のほうが滞空時間が0.2秒ほど長かったということです。
瀬尾教授は「今回のボールはよく浮いて、よく曲がる。表面のデザインを変えることでこういう差が出る。同じスピードでボール2個分、カーブするということは、ストライカーとしては腕の見せどころだし、ゴールキーパーはあらかじめ知っておいて早く反応する必要があるのではないか」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220824/k10013786201000.html