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【旧統一教会】鈴木エイト氏 統一教会から「拉致してやろうか」と脅迫、暴行、ストーカーも…自民議員からは街頭で本名と住所を挙げられ直接圧力
安倍晋三元首相(享年67)の銃撃事件から早くも50日が経過した。同事件で逮捕された山上徹也容疑者(41)は、犯行動機として「母親が統一教会に入信し、自己破産もして、家庭がめちゃくちゃになった」と供述。
これを受けて雑誌やテレビをはじめ、あらゆるマスメディアが、統一教会の霊感商法や合同結婚式をめぐる問題について報道するようになった。いまやすべての日本人が、統一教会の“専門家”を求めていると言っても過言ではない。
古くは、1992年に女優の桜田淳子(64)や元新体操選手の山崎浩子さん(62)が合同結婚式に参加した際に世間を驚愕させたが、以降30年にわたり、教団の問題が衆目にさらされることはなかった。
そんななか、一躍時の人となっているのが、長年にわたって統一教会と戦い続けてきたジャーナリストの鈴木エイト氏だ。いまやワイドショーで彼の姿を見ない日はないが、どのような戦いを繰り広げてきたのかは、あまり顧みられてこなかった。
本誌のインタビューに応じた鈴木氏の言葉からは、幾多の圧力や、対面してきた闇の深さが垣間見える。
「2002年6月、テレビで旧統一教会の街頭勧誘の実態が報じられているのを見た翌日、偶然にも渋谷でまさにその勧誘の現場を目撃しました。それが、統一教会と僕が関わるようになったきっかけです。身内に信者もいましたし、街頭で信者と接しているうちに、マインドコントロールの構造そのものに関心が向かうようになっていったんです」
そこに端を発する鈴木氏の統一教会との戦いは、20年に及んでいる。その間、自らの身に危険を感じることはなかったのか。
「当初から僕は、渋谷の街頭で教団の勧誘を阻止するという活動をしていたので、ずっとマークされていました。尾行もされたし、幹部らしき複数の人に『拉致してやろうか』などと脅されたりもしました。殴られたことも一度や二度ではなく、2007年ごろには、勧誘員の男に殴りかかられたこともありました。現行犯で警察に突き出そうと思って追いかけたんですが、さらにもう一度殴られて取り逃がしてしまいました」
同じく統一教会問題を取材してきた藤倉善郎氏(48)が起ち上げた「やや日刊カルト新聞」に、創刊の2009年ごろから参加した鈴木氏。その後、2011年ごろから教団本部が全国の関連施設に配布したのが、鈴木氏を「要注意人物」として名指しした“指名手配書”だった。
「身長が間違っているし、写真が*すぎると教団本部の広報局に抗議の電話を入れて差し替えてもらいました。藤倉さんの写真は替えてくれなかったんですが(笑)」
統一教会からのマークは今日にいたるまで続いており、自宅の周辺には不審な人物が現われるという。
「脅迫めいたことはいろいろありましたよ。宅配業者を装った人物が、『雨で住所が滲んで読めないので、住所を教えてもらえますか』と、電話で聞いてきたり。最近も、不審者が家のまわりをウロウロしています。統一教会の問題に関わり始めた当初、何かあると危ないと思って、服の下に防刃ベストを着るようにしていました。最近も、久しぶりに身に着けていますね。以前は一人暮らしでしたが、現在は結婚して家族がいるので、心配で地元の警察署には重点パトロールをお願いしています」
さらに驚くべきことに、統一教会と密接な関係がある自民党のとある議員から、直接脅迫めいたことをほのめかされたこともあったという。
「ある自民党議員の街頭演説を取材したら、議員がわざわざマイクを外して、直接『〇〇さん、早く××の家に帰ったほうがいいよ』と告げてきたんです。ようは、私の本名と住所を知っているというアピールですよね」
そんな脅迫が続くと、恐怖で萎縮してしまいそうなものだが、鈴木氏の語り口はあくまで軽妙だ。その点について鈴木氏は、「脅迫という行為には、常に滑稽さが同居している」と分析する。
「へんに恐れないで、笑い飛ばす対象にしたほうがいいんですよ。笑い飛ばすことで自分の体験を対象化して、教団の本質を見極めることができるので。それは、脱会者のリハビリでも同じです。それに、カルト問題を広く世間に知ってもらうには、笑いの要素もあったほうがとっつきやすい。
それが、『騙される人がおかしいのだ』ですませてしまうような認識を、一般の人が改めてくれるきっかけになればいいなと思います。もちろん、笑いではすまされない深刻な問題もあるので、それはそれできっちり伝えていこうと思っていますが」