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<独自>政府、北朝鮮への独自制裁を延長へ 輸出入や船舶入港禁止
政府は、北朝鮮に科している日本独自の経済制裁を延長する方向で検討に入った。北朝鮮の完全非核化や日本人拉致事件の解決に向け、圧力の継続が不可欠と判断した。輸出入の全面禁止や北朝鮮関連船舶の入港禁止などが柱で、4月上旬にも閣議で決める。複数の政府関係者が26日、明らかにした。
政府は国連安全保障理事会の制裁決議に加え、平成18年に外為法や特定船舶入港禁止特別措置法に基づき、輸入や関連船舶の入港を禁じる独自制裁を発動した。その後も、北朝鮮による核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験などに応じ対象を広げてきた。4月13日に制裁の期限を迎えることから、2年間の延長を検討している。
輸出入や船舶の入港禁止のほか、核・ミサイル計画などに関連する北朝鮮の団体や個人に対し無期限の資産凍結も行っている。日本として「最大限に近い経済制裁」(政府関係者)を維持することで、拉致・核・ミサイル問題の解決につなげたい考えだ。
北朝鮮は国際社会からの制裁や新型コロナウイルスの流行で経済的困窮を深めるが、25日には約1年ぶりに弾道ミサイルを発射するなど挑発行為は続いている。外務省幹部は「対話と圧力が基本方針だが、現時点で制裁を解除したり弱める要因はない」と話す。
一方、洋上での違法な物資の移し替え「瀬取り」をはじめ、対北制裁では“抜け穴”も指摘される。米国や国際社会と連携し、制裁の実効性をどう高めていくかも今後の課題となる。
産経新聞 2021.3.26 21:24
https://www.sankei.com/politics/news/210326/plt2103260032-n1.html