市は月に数日、職員による街の清掃活動を行っているが、ポイ捨てされたたばこの吸い殻の本数は条例施行前とほとんど変わっていないという。
■啓発看板の掲示 ポスターを配布
この状況に対し協議会は、路上喫煙禁止区域に啓発看板の掲示やポスター配布を行い条例の周知に取り組むことで合意。市はそれを受けるとともに、8月末には駅そば2カ所に分煙のための喫煙所を新設し、今後は禁止区域の路上や飲食店の敷地など101カ所にある灰皿の撤去や移設を求めていくことも決めた。
条例改正後の状況について、担当する廃棄物対策課に聞いたところ、たばこのポイ捨てが後を絶たない現状を危惧しており、さらなる条例の周知に向けた対策が必要との認識により、啓発看板やポスター掲示に加え、実施中の夜間パトロール時に、喫煙者に路上喫煙や受動喫煙防止のマナー順守を呼びかけるとのことだ。
■取り組みを継続
協議会の会長を務める福山市立大学都市経営学部の渡邉一成教授は、「市による喫煙所の設置も必要だが、それ以上に大事なのは官民連携による喫煙環境の整備」と話す。「福山市は2020年から、都市機能を高めるための『福山駅周辺デザイン計画』を進めているが、そこで目指す〝歩いて楽しいウォーカブルエリア〟の実現のためにも、やみくもに灰皿を撤去するのではなく、個人店ではなかなか困難な灰皿の管理を行政や商店街組合などが支援するという形を作っていくことを、協議会から提案していきたい」という。
同時に、喫煙者のマナー向上を図ることも重要だ。「そのためにも吸える場所をきちんと確保していく必要があると思っている」と渡邉教授。
今年は福山城築城400周年、2025年には世界バラ会議福山大会が開催され、海外も含めて多くの人の目が福山に集まることになる。〝歩いて楽しいウォーカブルエリア〟がどのように実現していくのか見守りたい。
夕刊フジ2022.8/26 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20220826-SX7NXXSNSRKC5MKFVJOPOOB3FU/