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【日韓関係】「K-POPが好きなら韓国のことも好きなはず」日本の現状を理解できない韓国社会の”悲しい勘違い”
【写真】道上尚史氏の著書『韓国の変化 日本の選択 外交官が見た日韓のズレ』(ちくま新書)
※本稿は、道上尚史『韓国の変化 日本の選択 外交官が見た日韓のズレ』(ちくま新書)の一部を再編集したものです。
■「韓国ほど日本を小さく見る国はない」と語る記者
最近の韓国の日本観はどんなものであるか、私の勤務地ソウル・釜山(プサン)での体験をベースに述べていきたい。8年前のソウルで会った、日本通の知人二人に登場願おう。
まず、日本をよく知る記者は次のように語った。
「韓国ほど日本を低く小さく見る国はない。世界で韓国だけが、日本の国力の大きさを知らない。新聞社の東京特派員をした自分は日本の底力、裾野の広さを知っているし、世界各国で日本への評価が高いことを知っているが、一般の韓国人はこれを知らない。日本人が言っても耳を傾けない」
「日本へのコンプレックスのため日本を実際以上に大きく高く見過ぎ日本に譲歩してきた。韓国は強くなったので屈辱を改めよう。今や自分たちは反日でなく、コンプレックスもなく、合理的な日本観だ――多くの人はこう思っており、こういう自己正当化の心理が働いている。でもこれは逆立ちした議論であって、かつて日本を過大評価したのでなく、現在の日本をことさらに過小評価しているのだ。その傾向自体が対日コンプレックスともいえる」
■「一般国民になぜ日本が重要かを説明するのは難しい」
また、日本通の幹部外交官はこう語る。
「今世紀に入り、日中2つの隣国の重要さについて、日本は中国とは比較にならないということがコンセンサスになってしまった。保守・進歩や世代を超えた共通認識だ。中国嫌いの人でもこの点は同じだ」
「実は我々外交当局も、一般国民になぜ日本が重要かを説明するのは難しい。もっといえば、よい知恵がない。安保や自由民主という基本価値。ビジネスで相互依存が強い。社会問題で日本から学ぶことは今も多いと自分は思う。だが、日韓パートナーシップ宣言を策定した90年代とちがい、国民は耳を傾けず、アピールしない。韓国では、日本が重要だということが自明でないのが現実です」
「対中外交は不愉快なことが多いし、彼らから見ても韓国は厄介な国だが、韓国を取り込む作業を分厚く仕掛けてくる。文化、語学、政治家、経済人、メディア、官僚、学生等多岐にわたる人的交流を拡充している。かつて日本が得意としたソフトパワーだ」(「サード」配備で中韓関係が悪化する以前の発言)
この2つ目は、付き合いの長い、優秀で知的な外交官だ。韓国の立場から言わんとすることはわかるが、日本が改めれば日韓がうまくいくという話では全くなく、根本的な問題は韓国が抱えていると思う。ただ、「一般国民になぜ日本が重要かを説明するのは難しい」というのは、作り話ではなく、それが韓国の現実であった。
■「日本人はK-POPが好きだから、韓国全体が好き」と勘違いしている
韓国では、「日本人はK-POPや韓国ドラマが好き」だとして、「日本人は韓国全体が好き。韓国を嫌うのはごく一部。日韓の対立についても、ホンネは韓国を支持している」と飛躍する人が少なくない。日本は中韓に抜かれたのが悔しくてますます停滞を深めている、との印象を持つ人もいる。
2014年、私は大使館で文化広報公使から総括公使になり、ほとんど政治マターを扱う日々になった。その頃の話だ。日本の竹島領有主張に対し、外交部ステートメントに、(日本は)「帝国主義の亡霊」と非難する表現があった。週刊誌でなく政府の公式発表文がこのような表現を用いることに驚いた。国は違えど外交官として研鑽(けんさん)を重ねた先輩方から私は薫陶(くんとう)をうけてきたのだが、これは自分の中の古きよき韓国像が崩れる思いだった。
※続きは元ソースで
Yahoo!Japan/President Online 8/27(土) 11:16 配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/33bf22e1f18b2d1780d8a445153cc8d450f7d66c