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【韓国】 日本を同一体と見る誤り~日本にいるのは右翼だけではない
この美容師はもじもじしながら「えっと、どこがどこの植民地でしたっけ?」と問い返した。日本の若い世代が近代史に無知である事実は良く知られているが、これほどとは予想もしていなかった。
「福島と韓国は同じ側」
2019年6月、韓日ジャーナリストシンポジウムに参加するために日本議会を訪問した時、選挙区が福島県の野党議員が韓国記者団を喜んで「戊辰戦争と植民地時代を体験した私たちは同じ側」と言った。1868年から1869年まで続いた戊辰戦争は長州藩(現山口県)主導の新政府軍が幕府軍の主軸勢力がこもった会津藩(現福島県)を苛酷に討伐した内戦だ。
内戦で勝った山口県は伊藤博文など日本総理を多く輩出して日本社会の主導勢力に成長した。2019年、総理だった安倍晋三も山口県を選挙区に置いた。山口県にやられた歴史を共有するので「私たちは同じ側」というのが同議員の説明だった。
山口県と福島県は今も互いに婚姻を敬遠するほど感情の谷が深い。安倍総理が福島選挙遊説の際、戊辰戦争当時、山口県の苛酷な処置を代わりに謝ったこともある。そうだとしても韓日関係が最悪だった時期に国会議員が相手側記者団を「同じ側」と言いながら歓迎するのは意外だった。
100年余りの間、軍国主義と敗戦、米国主導の民主主義を経験した結果、日本は思想的・社会的スペクトルが非常に広いという評価を受ける。数百年間、封建領主制を維持したせいで地域色も強い。
日本には右翼だけいるのではない
それでも韓国は日本を「巨大な保守右翼勢力が主導する国」とだけ認識する傾向がある。韓日関係に精通した専門家たちが日本の多様性を理解しようとする試みが不足していると残念に思う理由だ。
日本を一つの塊と見たら、どこがどこの植民地だったのかも知らない世代、韓国は我が方という地域まで全部敵に回す戦略的失敗を繰り返すことになる。渡辺雅隆、朝日新聞社長も「日本書店に嫌韓書籍が並んでいるが研究結果によれば保守右翼世論を助長する『純粋右翼』の比率は1%程度に過ぎない」と指摘した。
ジョー・バイデン米国行政府スタートに合わせて韓国政府は日本との関係改善を模索している。1月末には自他共に認める「日本通」と呼ばれる姜昌一(カン・チャンイル)元議員を駐日大使に任命した。先月10日、初めての特派員懇談会でカン大使はわが政府が韓日関係改善カードとして自分を送ったことを隠さなかった。
解決の兆しが見られない強制徴用被害および慰安婦問題でも変化が感知される。一部、日本メディアは韓国政府が強制徴用被害者と慰安婦ハルモニを個別に説得し始めたと報道した。日本政府と日本戦犯企業に賠償責任がある点を明確にして損害賠償金は韓国政府と企業が代わりに渡す解決方案を準備するためだ。
この法案の最大の困難は依然として日本に強硬な国内世論を説得する事という予想が多い。韓国政府とカン大使は日本の多様性をよく説明し私たち国民を納得させて欲しい。
韓国経済(韓国語)
https://www.hankyung.com/opinion/article/2021032252491