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【芸能】島崎遥香が語る、素敵だと思う先輩「女優さんですけど、今でもみんなのアイドル」
2009年から活動を開始し、2016年にそれまで所属していたアイドルグループAKB48を卒業後も、連続テレビ小説『ひよっこ』、映画『ニセコイ』『翔んで埼玉』などで演技を重ね、着実にお芝居のキャリアを重ねている島崎遥香さん(28)。
東京から瀬戸内に浮かぶ島にやってきた少女・凪の心の成長を描いた映画『凪の島』では、凪の通う小学校の心優しい先生を好演しています。
そんな島崎さんに、本作から受け取って欲しいメッセージを聞きました。また、「本当に自分がやりたいことは何なのか、今後どうしていきたいのか」を「今も考えて駆け出している最中」と明かす島崎さんが、「職業“ぱるる”」と断言できる笑顔を見せてくれました。
「自分には島の先生なんて無理(苦笑)」
――島崎さんと同じく埼玉出身で、山口の島に赴任した小学校教師の瑞樹先生役でした。瑞樹の人生を「挑戦的でかっこいい」とコメントされてましたね。
島崎遥香(以下、島崎):私には島の先生なんて、絶対に無理です(苦笑)。いろんな学年の子をひとりで見てますし、すごく大変だと思います。地元の学校ではなくて、わざわざ島の学校に行って就職するということが、私には想像ができなかったのですが、かなりの決意だと思いますし、いろいろあったんだろうなと考えました。
島のおばあちゃんからトマトを
――島での思い出があれば教えてください。
島崎:海沿いで撮影していたときに、道沿いに自分で育てたお野菜を売ってるおばあちゃんがいたんです。その方からトマトをいただいて。そういうことって埼玉でもなかったし、東京ではもちろんないし。だって売り物なんですよ。そもそもの値段もすごく安かったんですけど、タダでくださったんです。ほっこりしました。薬品を使っていないナチュラルな味がしました。すごく美味しかったです。
――海と山なら島崎さんはどちらが好きですか?
島崎:どちらも得意ではないです(笑)。しいて選ぶなら海かな。泳げないんですけど。海の思い出というと、真夏のMV撮影が真っ先に浮かびますけど、眺めるだけなら海はいいかなと思います。山は標高が高くなると息苦しくなるので。富士山には登ってみたいなと思ったりしますが、子どもの頃に高尾山に行きたいと自分から言い出して、でも結局途中で戻ってきちゃいましたし、無理かなぁ(苦笑)。
今も模索しながら挑戦している最中
――島崎さんは現在28歳ですが、現時点で振り返ってみて、20代はどんな期間になりそうですか。
島崎:それこそひと山登った感じがあります。15歳でこの世界に入って、グループを卒業したのが分岐点。職業を変えたまでは言えませんけど、でもほぼ変えたくらいの変化がありました。本当に自分がやりたいことは何なのか、今後どうしていきたいのかを考えていった20代だと思います。そして今も考えて駆け出している最中です。
――こうしていきたいという明確な目標のもとに卒業したというより、卒業して、模索しながら進んでいるのでしょうか?
島崎:そうです。自分に何ができるのかを模索しながら挑戦していっている感じです。正直、まだ何をしたいのか、できるのか、つかめていません。ポジティブに言えば、自分に制限をかけずに進んでいるところです。
これからも“ぱるる”として進んでいきたい
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――そのなかでお芝居の仕事に重心を置いていますが、女優としてのキャリアを重ねていくなかで、素敵だなと思った先輩はいますか?
島崎:そもそもまず、“女優”という肩書に馴染めないんです。“元アイドル”と言われたほうがまだしっくりきます。なんだろうな。だから職業は、女優というより“ぱるる”です。
――なるほど。これからも職業“ぱるる”として色々やっていけたらと。15歳からお仕事をしてきて、“ぱるる”としては確立してきた自負があるんですね。
島崎:そうですね。これからどう進んでいくにしても、“ぱるる”として、というのが一番気持ち的に楽です。人から呼ばれるときも、女優とか、島崎さんと言われるより、“ぱるる”のほうがしっくりきます。だから、さっきの素敵だなと思った先輩でいうなら、小泉今日子さんかな。ずっとキョンキョンで。
みんなのアイドル小泉今日子の素敵さ
――親子役を演じたドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』は、AKB48卒業後初のドラマでした。
島崎:そうですね。直接会ったら、みなさん小泉さんと呼ぶでしょうし、女優さんですけど、でも今でもみんなのアイドルですよね。そういうのっていいなと思いました。
――元アイドルと言われるのに抵抗はありませんか?
島崎:全然イヤじゃないです。そのころがあったから今の自分がいるので。過去の自分を否定したくないです。小泉さんも、やっぱり「スターだ、キョンキョンだ」という感じがあるんです。力が入っている感じは全然ないんですけど、やっぱりオーラがあって、かっこよかったです。
映画からいろいろなことを感じて
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――これからも“ぱるる”に期待しています。最後に、同世代の読者に本作公開にあわせてメッセージをお願いします。
島崎:私たちくらいの世代の社会人って、本当に毎日が目まぐるしいと思うんです。後輩もいるけれど上司のほうがまだ多くて。自分のやりたいことがあってもやれなかったり、もがく時期なんじゃないかと思います。
そうした日々自分が感じていること、些細なことでも、すごくナチュラルにこの映画では描いて見せてくれています。だから共感するし、微妙で曖昧なニュアンスが、結構グサっとくる瞬間もあるんじゃないかと。ぜひいろいろ感じて欲しいです。
<取材・文・撮影/望月ふみ>
【望月ふみ】
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異 Twitter:@mochi_fumi
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