あわせて読みたい
【あおり外交】アメリカと台湾、正式な通商交渉を開始へ 秋にも
アメリカのナンシー・ペロシ下院議長(中)は今月3日、台湾で蔡英文総統(右)と会談。米中関係の緊張が一段と高まった
アメリカ政府は17日、台湾と正式な通商交渉を「初秋」にも開始すると発表した。
米台は「21世紀の貿易に関する米台イニシアチブ」を6月に発表していたが、双方は今回、「交渉が必須との相互理解に至った」と述べた。
米通商代表部のサラ・ビアンキ次席代表は、「我々は野心的なスケジュールをこなす予定だ。(中略)それにより、より公正でかつ繁栄と強靭(きょうじん)さをもたらす21世紀の経済を形作る」と説明した。
協議では貿易の円滑化のほか、デジタル通商や反汚職基準などが話し合われるという。
米台間の貿易総額は、2020年に約1060億ドル(14兆3200億円)だった。
今月初めにナンシー・ペロシ米連邦下院議長が台湾を訪問して以来、米中間の緊張が高まっている。
中国は台湾を、自国から分離した省とみており、いずれは再び中央政府の支配下に置かれるべきだと考えている。一方で台湾は、独自の憲法と民主的に選出された指導陣を持つ独立国家を自認している。
アメリカは台湾を正式に承認していないが、強力な関係を維持しており、台湾が自衛できるよう武器を販売している。
これとは別に、ダニエル・クリテンブリンク米国務次官補(東アジア太平洋担当)は18日、中国政府の「威圧感の増大が(中略)台湾海峡の平和と安定を脅かしている」と発言。
「平和と安定を損なおうとする中国政府の現在進行形の動きに直面する中で、我々は長年の方針に沿って、平和と安定を守るために冷静かつ断固とした措置をとり続け、台湾を支援していく」とした。
2022年8月18日 BBC
https://www.bbc.com/japanese/62588060