【東京新聞】 原発回帰にかじを切った韓国・尹政権の思惑は…日本海沿いに8基密集、核燃料処理などに課題

【東京新聞】 原発回帰にかじを切った韓国・尹政権の思惑は…日本海沿いに8基密集、核燃料処理などに課題

【東京新聞】 原発回帰にかじを切った韓国・尹政権の思惑は…日本海沿いに8基密集、核燃料処理などに課題

1: LingLing ★ 2022/08/17(水) 20:38:01.26 ID:CAP_USER
原発回帰にかじを切った韓国・尹政権の思惑は…日本海沿いに8基密集、核燃料処理などに課題

韓国の釜山、蔚山市境で10日、密集して立つ原発
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韓国で5月に発足した尹錫悦ユンソンニョル政権が、文在寅ムンジェイン前政権による脱原発政策を転換し、原発依存を高める路線にかじを切った。ロシアのウクライナ侵攻に伴う化石燃料高騰の影響軽減や、原発輸出の再開につなげる思惑がある。しかし老朽化原発の安全性確保や使用済み核燃料の処理方法など課題は未解決のままだ。(韓国南東部・釜山プサン、蔚山ウルサンで、相坂穣、写真も)

◆九州からわずか200キロ
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8月上旬、韓国第2の都市の釜山と蔚山市境にある古里コリ、新古里シンコリ原発が国内外の報道機関に公開された。九州からわずか200キロの日本海沿いに原発8基が並び、世界で原発が最も密集する地域のひとつ。新古里ではさらに2基の建設が進められており、広大な敷地では大型クレーンや作業員が忙しく動き回っていた。
報道陣とともに現地を訪れた中小ベンチャー企業省の曺株鉉チョチュヒョン次官は、原発関連の中小企業を対象にした約300億ウォン(約30億円)の支援や基金創設を打ち出した。「除染や放射線測定などの安全対策で、重要な役割を果たす中小企業の技術力を確保する」と訴えた。

◆「原発最強国の建設」という公約
尹氏は大統領選の公約で「原発最強国の建設」を掲げ、経済界の支持を確保しようとしてきた。目標の一つは2030年までの原発10基の輸出だ。6月には原子炉メーカーを視察し、「この5年間、ばかなことをせず、原発産業を守っていれば、今ごろライバルはいなかった」と文前政権の脱原発路線をこきおろした。
文前政権は発電量に占める原発の比率を30年までに24%に減らす方針だったが、尹政権は7月、現在の27%から30%台に引き上げる計画を決めた。また尹政権は、全国24基の原発を14基に削減する文前政権の方針も転換させた。建設が進む新古里の2基のほか、7月に新ハヌル原発の2基の建設再開も決め、計4基が増設される計画だ。
世論の後押しもある。7月に韓国ギャラップが発表した世論調査では、原発拡大に賛成が39%で反対の18%を上回った。19年の調査では賛成が下回っていた。尹政権の関係者は「ウクライナ危機後のエネルギー高騰や地球温暖化への対応を迫られ、原発容認が増えた」と分析する。

◆老朽化、津波対策など懸念も
尹政権は、設計段階で想定された耐用年数を過ぎた古い原発の運転延長も進める。古里原発では、1983年に商業運転を始めた2号機の運転延長の手続きが始まった。運営会社の韓国水力原子力は「法律に従って安全基準をクリアする」と主張。2011年の東京電力福島第一原発事故を受け、津波対策のため防波堤を改良したとしている。
しかし老朽化原発の安全性に懸念もある。大地震を引き起こす恐れがある活断層や、重大事故が起きた際の被害をめぐり、調査や評価が足りないとの批判も出ている。日韓の原発に詳しい市民団体「原子力安全と未来」の李丁潤イジョンユン代表は「韓国の原発の安全対策費は、日本よりもはるかに少なく心配だ。監督機関の原子力安全委員会も人材や予算が不足している」と話す。
また韓国では使用済み核燃料の処理方法が確立しておらず、各原発の敷地内で一時的に貯蔵されている。古里では、数年以内に貯蔵能力が限界に達するとみられる。檀国タングク大原子力融合工学科の文註鉉ムンチュヒョン教授は「放射性廃棄物の処理施設の建設を急ぐ必要がある。候補地の住民への丁寧な説明が求められる」と語る。

東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/196327


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