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【技術】韓国を脅かす独VWのEVバッテリー戦略、さらに大きな問題も?=韓国ネット「ワーゲンのEVは時限爆弾車になるかも」
2021年3月16日、韓国・マネートゥデイは、独フォルクスワーゲン(VW)のバッテリー開発戦略発表により「韓国の企業への衝撃は避けられない」と伝えた。
VWは15日、2023年から「Unified Cell」(ユニファイドセル)と呼ばれる角形バッテリーセルを導入し、30年までに採用車両を80%に拡大するとの計画を発表した。残る20%は円筒形、パウチ形などを自動車の仕様と必要に応じて適切に使用する戦略で、これによりバッテリー製造にかかるコストを50%に抑え、電気自動車(EV)購入拡大に結びつけたい考えだという。角形は中国・寧徳時代新能源科技(CATL)、スウェーデン・ノースボルトが製造に力を入れている。VWは既にノースボルトに140億ドル(約1兆5300億円)のバッテリー製造契約を結んでいる。
記事は「VWがこうした戦略を打ち出したことで、これまでパウチ形バッテリーの製造に力を入れてきた韓国のメーカーへの影響が懸念される」と指摘している。LGエナジーソリューションは円筒形とパウチ形を製造しているが、パウチ形の製造量が圧倒的に多く、SKイノベーションはパウチ形のみを製造している。サムスンSDIは円筒形と角形を製造している。
専門家によると、3社には18年にVWがEV向けモジュラープラットフォーム「MEB」を公開して以来、関連の大規模受注があったという。しかし、今年下半期に入札予定のMEB物量については、韓国メーカーの受注規模は当初予想を下回る可能性が高いとみられている。既にパウチ形に合わせて大規模施設投資を行った一部メーカーは、角形向け施設に転換することは現実的に困難で、現状としては「パウチ形を使う他の顧客企業を確保するしか対応策はないだろう」と記事は伝えている。
また記事は「さらに大きな問題が他にある」とも伝えている。ある業界関係者は「怖いのは、VWが『究極の目的は全固体電池』だと明かし、自社または合弁で製造することも可能だとの意思を示したこと」だと指摘している。全固体電池はサムスンSDI、パナソニックなど有数の企業が研究に力を入れているが、VWは同じく研究を進める米クアンタムスケープの主要投資者となっている。同関係者は「EV初期のリチウムイオンバッテリーでは日韓中の3カ国に主導権を握られたが、次世代バッテリーをリードするのは欧州だという長期的計画だと読み取れる」と話しているという。
この記事に、韓国のネットユーザーからは「大変だ。ものすごくいい製品を安く作らないと。ファイト」「恐れることはない。問題は、フォルクスワーゲンが作るバッテリーが韓国製の品質を超えられるのか、ということだ」「当分、ワーゲンのEVは買うべきではないね。時限爆弾車になるかもしれないよ」「中国のバッテリーを選んだら、消費者はフォルクスワーゲンを捨てる」「バッテリー製造だけじゃなく、バッテリーを必要とする製品まで国産が増えないと、今後の勝算はない。向こう10年が未来の100年を決定する」などのコメントが寄せられている。(翻訳・編集/麻江)
Record China
https://www.recordchina.co.jp/b873568-s25-c20-d0195.html