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【ハンギョレ新聞】アトランタ銃撃事件-韓国人被害者の息子 「母は2人の息子に献身したシングルマザー」
今月16日、米アトランタで8人の死亡者を出した連続銃撃事件の韓国系市民被害者ヒョンジョン・グラントさんの息子、ランディ・パクさん(23)は18日(現地時間)、現地のオンラインメディア「デイリー・ビースト」のインタビューで、このように語った。
韓国系市民で死亡した4人のうち、ヒョンジョンさんを含む2人の名前が確認された中、遺族がメディアのインタビューに応じたのは今回が初めて。
パクさんは「母が性的サービスを提供するマッサージショップで働いていることを知っており、心配になって母と言い争いになったこともある」と話した。
しかし「母は(2人の息子のために)ここ米国で自分のやるべきことやっていた」と話した。
ロバート・アーロン・ロング容疑者(21)の犯行動機を「性依存症」と説明した前日の警察発表については、時間をかけて言葉を選んだ後、「戯言(That’s bullshit)」だと一蹴した。
アトランタ警察も激しい批判世論を意識したようで、翌日の16日、ロング容疑者を「ヘイトクライム(憎悪犯罪)の嫌疑で起訴することも視野に入れている」と立場を翻した。
昨年の新型コロナの大流行以降、米国社会ではアジア系移民を狙ったヘイトクライムが急増した。
米国でアジア系に対する人種差別とヘイトクライムを研究する非営利団体「ストップAAPI(アジア・太平洋諸島系)ヘイト」(Stop AAPI Hate)の報告書によると、昨年3月19日から今年2月28日まで、アジア系を対象にしたヘイトクライム事件が3795件申告された。
パクさんもこうした雰囲気を知ってはいたが、「正直、自分に被害が及ぶとは思っていなかった」と話した。パクさんは今になって「(これまでとは)全く異なるレンズを通じてその(異なる人種へのヘイトクライム)問題を見るようになった」と語った。
パクさんは母親から「米国に来る前、韓国で小学校教師をやっていた」と聞いており、父親のことは知らないと答えた。
しかし「ガールフレンドのことをはじめ、なんでも話せるほど母とは親密だった」とし、「母はダンスとパーティーを好み、クラブに行くのが好きで、(EDMミュージシャンの)ティエストが大好きだった。彼女は10代のようだった」と、二度と会えなくなった母との思い出を振り返った。
16日夕方、パクさんはジョージア州ダルースの家で「リーグ・オブ・レジェンド」ゲームをしていた。「ゴールド・スパ」の生存者の娘からの電話で、母の死亡事実を知った。警察に事件現場への接近を止められており、まだ現場にも行っていないという。
20代初めの若者にとって、この状況はあまりにも「超現実的」だと、彼は語った。しかし「面倒を見なければならない弟がいる」とし、「非常に悲しく、(母の死を)思いきり悲しみたいが、前に進むほかは選択肢がない」と話した。
米国には自分と弟の2人だけが残っており、韓国にいる家族も米国に来られない状況だという。生活に困っている彼はオンライン募金サイト「ゴー・ファンド・ミー」に助けを求めた。
パクさんの要請から約8時間で約8300人が回答し、約34万9千ドルが集まった。
2021-03-20 07:25 ハンギョレ新聞
http://japan.hani.co.kr/arti/international/39468.html