あわせて読みたい
【米銃乱射事件】「白人男性は店の看板にコリアン・マッサージと書いてあれば、セックスができると何となく考える」
「マッサージ店」と言えば韓国系
米メディアは「被害者はアジア系女性」と報じ続けていた。「韓国系の女性たち」と地元韓国系ニュースサイトが報道するまでは、そう報じ続けた。
「アジア系米国人」(Asian American)という表現が定着したのは1970年代。
それまではJapanese-American(日系米国人)、Korean-American(韓国系米国人)などと出身国にハイフンをつけた米国人としていた。
今ではに日中韓系米国人、さらにはインド系やポリネシア系などの総称してこう呼ぶようになっている。
もっとも近年では、Asian American and Pacific Islanders(AAPI=アジア系太平洋諸島系米国人)といった表現が米議会を中心に頻繁に使われ出している。
ただしそれは建前で、「アジア系」という名詞が特定の職業・職種や習慣と結びつくとある種のイメージが定着していることも事実だ。
例えばマッサージ店と言えば韓国系。
交差点の道路標識「イールド」(先を譲れ)を無視するアジア系女性ドライバーと言えば中国系。
「モデル・マイノリティ(模範的な少数民族)のアジア系」と言えば日系。
そんな固定観念が定着していると、米カリフォルニア大学バークレイ校の米社会学者から聞いたことがある。
だから今回の事件でアジア系女性が殺されたという「第1報」を知った米市民の大半は、韓国系女性たちだとピンときたはずだ。
韓国系マッサージ店だから当然だが、そこには中国系や日系の女性がいないことを皆、百も承知なのだ。
そして、韓国系マッサージ店が「隠れた売春施設」と結びつくのも「一般常識」になっている。こうしたマッサージ店がしばしば警察の売春で摘発されてきたからだ
アトランタの韓国系人口はここ10年で急増
アトランタの地元紙のメトロポリタン担当記者のP氏は筆者にこう指摘している。
「事件のあったアトランタ市の都市圏人口をみると、ここ10年、アジア系、特に韓国系が増大している」
「韓国系が増えるとともに韓国系のマッサージ店が雨後の筍のように増えている。韓国系と言えば焼き肉レストランとマッサージ店と言ってもいいくらいだ」
「移民法改正以後、米国で市民権をとった韓国人は、親類縁者を呼び寄せた。このため韓国人移民が激増したのだと思う」
「ただ、米国に来てすぐ仕事口が見つかるわけでもない。特に手に職のない女性はつてを頼って韓国人経営のマッサージ店で働くケースが多い」
「今や全米大都市周辺にはこうした韓国系のマッサージ店が至る所にある。問題は、韓国系のマッサージ店の中にはいかがわしいものが少なくないことだ」
「特に白人男性は店の看板にコリアン・マッサージと書いてあれば、セックスができると何となく考える。そう思わせる雰囲気が出来上がっているのも事実だ」
今回、韓国系マッサージ店3軒に侵入し、銃を乱射した21歳の男が「買春目的」で通った経験があったとしても不自然ではない。
(略)
「皆怖がって、仕事などそっちのけで家で震えているわ」
多様化まっしぐらの米国は、今分裂と分断の中で、新たな「黄禍論」の台頭に見舞われている。
米中という大国同士の「外交上の戦争」は、米国内では一握りの白人至上主義者による「中国人狩り」をけしかけ、転じて「アジア人狩り」へと拡大させている。
その勢いは収まるどころか、第2、第3のアジア人射殺事件を生みそうな状況になっている。
日米同盟強化もいいが、日本人も米国にやって来ると、「アジア人狩り」の標的になるご時世になってきた。