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コンビニコーヒー「無料でサイズアップ」の不正。大手3社の見解と対策は
現在、コンビニのレジ横にコーヒーマシンが設置されている光景が当たり前となっている。気軽に本格的なコーヒーが飲めることで人気のコンビニコーヒーを、日常的に愛飲している人も多いのではないだろうか。
ここ数年、そんなコンビニコーヒーにまつわる事件が、しばしば発生している。今年4月に福岡県で起こったのは、70代の男性が100円で購入したSサイズのコーヒーカップに150円のMサイズ分のコーヒーを注いで逮捕されたという事件。また、似たような事件として、100円のコーヒーカップに150円のカフェラテを注いだ男が逮捕されたということもあった。
◆たかが数十円を得をしたいのか
Sサイズのコーヒーカップに、Mサイズ分を注いでも、カフェオレを注いでも、得をするのはたかが50円である。ほんの少しの差なのに、そこまでして得をしたいのだろうか。
多くのコンビニでは、レジでコーヒーカップを購入し、コーヒーマシンで飲み物を注ぐのはセルフ形式になっている。レジ内にいる店員からは見えにくい位置にコーヒーマシンがある店舗もあり、不正を働いてもバレないだろうという意識があるのだろう。
また、客が自分で押すボタン次第で出てくるコーヒーの量や種類が決まるため、ボタン1つで不正を行える手軽さから、つい魔が差してしまうのかもしれない。店員に咎められても「押し間違えた」という主張で逃げられる、と安易に考える人もいるように感じる。
コンビニコーヒーでの不正購入は、たかが数十円という小さいものだからこそ、安直な気持ちで手を出しやすい犯罪なのではないだろうか。
◆不正は可能か実験してみた
そもそもSサイズのコーヒーカップにMサイズ分の量を注ぐと、どのくらいギリギリまで注がれるのだろうか。実際に逮捕者が出たファミリーマートのコーヒーで実験してみた。
まず、SサイズとMサイズのコーヒーを購入。そしてSサイズのコーヒーを飲み干し、空にしたところで準備完了。
ここから、空のSサイズのコーヒーカップに、Mサイズのカップの中身を注いでいく。果たして、どこまで注がれるのだろうか。
溢れることなく全ての量を移し替えることができたが、かなりギリギリのため、店頭で行ったら目立つだろう。
◆不正を防ぐコンビニ各社の取り組み
1回ごとの被害額は少額とはいえ、このような犯罪を全国各地で常習的に行われてしまったらコンビニ側も黙っていられない。コンビニ各社ではどのような対策をとっているのか、大手3社に質問した。広報担当者の回答は以下の通り。
「全国ほとんどの店舗で、サイズやメニューを自動認識するマシンの設置をしており、押し間違えを防ぐようにしています。お客様がサイズボタンの押し間違いをした場合は、お客様のほうからお申し出をいただくこともありますし、お店の側で『違うのでは?』と気づいた場合には、お声がけさせていただいております」
「ボタンを押し間違えてしまったら、お客様からお申し出いただくか、お店の方からお声掛けさせていただく場合がございます。お客様が誤って違うボタンを押してしまうことを極力防ぐため、コーヒーマシンの外部に、商品名・サイズの表記に加え商品画像も掲示しています」
「弊社では、一部セルフの店舗もありますが、基本的には店員がコーヒーを注いでお渡ししており、お客様による不正購入はしづらい仕組みです。具体的な不正購入の報告は受けておりません。セルフ機械の使用時に誤って違うボタンを押してしまった場合には、従業員までお声がけいただきたいと考えております」
◆つまらないことで逮捕されないように
各社それぞれ独自の取り組みを行い、不正購入について対策をとっていることがわかった。客側からしてみれば、不正購入しやすい環境に感じていても、お店側ではしっかり客の動向がわかるような仕組みがとられているのである。
たかが数十円のために逮捕されて、自身の経歴に傷をつけるのは本意ではないだろう。「バレないだろう」という安易な考えは捨て、人間何事も真っ当に生きるべきだ。
【みなもとひかる】
お酒は飲めなくてもおつまみ大好き。趣味はゴルフ・筋トレ・パチンコ・神頼みの自称清楚系純情女子ライター。長所は諦めが悪いこと。「なせばなる」「なんとかなる」をモットーに、何事にも全力で取り組みます! Twitter:@minnapikapika
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