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【特集】 「涙ながらに語っても若者は聞かないんだ」毒蝮三太夫が戦争を語り継ぐ意思と工夫
86歳の今もタレント・俳優として精力的に活動し、「中高年のアイドル」と人気を集める毒蝮三太夫さん。1945年の東京大空襲を経験した毒蝮さんは長年、積極的に戦争について語り、ラジオ番組などでは高齢者らに空襲体験を聞いているが、その恐ろしさを次世代に伝えるうえで意識していることがあるという。終戦から77年となる8月15日を前に話を聞いた。
毒蝮三太夫
宿無の翁
毒蝮三太夫インタビュー後編
わかりやすく戦争の恐ろしさを伝える
「高齢化社会の中では俺は優良な老人だ。現役で働いて、税金を納めて、年寄りがみんなこうやって元気だったらもっと違った国になってたかもしれないなと思うね。長生きはいいもんだって言いたいけれども、そうも言えなくなってるのが実情だからね」
1945年の東京大空襲の体験を語り、次世代に伝えるべきだと考える中で、高齢者の振る舞いにも注文があるという毒蝮三太夫さん。
「昔話ばっかりする年寄りって嫌だよな。でも、戦争の話はしていかなきゃなんない。かといって涙ながらに語っても若者は聞かないんだ。だから俺はできるだけわかりやすく話そうと思っている。説得力を持って話せれば、戦争は恐ろしいことだ、しちゃいけないことなんだと思うことにつながる。そうやってテクニックを持って話せる大人が増えてほしいよな」
そんな毒蝮さんの“テクニック”はどこから生まれてきたのだろうか。
「東京人だからかもしれないな。親父は横浜生まれだけど八丁堀で大工修行をしたりなんかしたから江戸っ子みたいになってる。おふくろは芝で生まれて、神田で育ったたぬきババアだ。人の世話ばっかりしてたよ。
でもな、もっと単純なことからだよ。日本中のつらいことを全部しょってるような顔をしてるジジイやババアがいるんだよ! 笑うのはタダで損しないんだから、まずはそこからだよな。
若者が一緒にお茶を飲んだり食事をしたくなるような年寄りでいなきゃいけないなと思うね。面白いことを言うのは難しいかもしれないけど、まずは笑顔と清潔感だ」
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「戦争は簡単に始まる」
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