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ルース孫「記録は破られるもの。ベーブが生きていたら、必ず大谷選手を応援していた」
8/11(木) 11:00配信
サンケイスポーツ
2009年に解体された旧ヤンキースタジアム最後の試合で始球式に招待されたスティーブンス氏(右)とルースの娘ジュリアさん。大谷の活躍を温かく見守ってきた(本人提供)
アスレチックス1-5エンゼルス(9日、オークランド)米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平投手(28)がアスレチックス戦で10勝目を挙げ、1918年のベーブ・ルース(当時レッドソックス)以来、104年ぶりとなる2桁勝利と2桁本塁打を達成した。ルースの孫、トム・スティーブンス氏(69)が本紙の取材に応じ、記録達成を祝福。さらに、ルースもクリアできなかった二刀流としてのさらなる偉業へ、エールを送った。(取材構成・丹羽政善通信員)
【写真】1000奪三振を祝福するボードを掲げる女性ファンの姿も
大谷選手、2桁勝利おめでとう。今年は引っ越しなど、いろいろ忙しくて、エンゼルスの試合どころか、大リーグの試合を見る時間がなかなかありませんでした。それでも、次の日に新聞を読むなどして大谷選手の結果は気にしています。
今年は投手として調子がいいですね。前半戦終了時点では、昨年より1点近く防御率が低いのではないでしょうか(昨季は3・18、今季2・38)。
オールスターゲームで、1打席目の初球にホームランを打とうとしたことも知っています。もちろん、状況は異なるけど、ベーブ・ルースが1932年のワールドシリーズ第3戦(対カブス)で、予告本塁打を打ったことは知っているでしょうか。あのときのことを思い出しましたね。
あれ(外野フェンスを指差して本塁打を予告したとされる逸話)は真実かどうか論争になっているけれど、祖母(ルースの妻)は「狙っていた」と私の母(ルースの娘)に話したことがあるそうです。(同僚だった)ルー・ゲーリッグも「狙った」と証言しています。
残っている映像からは、センターを指差しているのか、投手を指差しているのか分かりません。ただ、われわれ家族は、ベーブが予告したと考えています。
大谷選手がベーブ以来、104年ぶりに2桁勝利、2桁本塁打を目前にしていたことも知っていました。前半で9勝を挙げたのですから、ベーブの記録に並ぶのは時間の問題だったでしょう。
ベーブが生きていたら、必ず大谷選手を応援していたと思います。
「記録は破られるもの」
ベーブは、常にそう話していたようです。61年、ロジャー・マリスが年間本塁打数でルースの記録(60本塁打、27年に達成)に迫り、超えたときも、74年にハンク・アーロンが通算本塁打でルースの記録(714本塁打)を超えたときも、ルースの記録を破ったことに対する彼へのバッシングがすごかったです。だけど、祖母はインタビューでベーブの言葉を伝え、マリスらを擁護していたそうです。
もちろん、人種も関係ない。ベーブはオフになると全米各地を回り、黒人のチームとも、日系人のチームとも親善試合で交流をしていました。彼の前に垣根なんてありませんでした。
だから、今回もベーブは心から大谷選手を祝福するでしょう。私たちも今、大谷選手を応援しています。彼にはぜひ、祖父が達成できなかった100勝(ルースは94勝)、500本塁打を達成してほしい。祖父が生きていたら、真剣にそう伝えると思います。
まだ大谷選手とは対面したことはありません。近い将来、会って話せることを望んでいます。