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【朝鮮日報】米「クアッド4カ国、中国に対するいかなる幻想もない」日米印豪による初のクアッド首脳会議
米ホワイトハウスのサリバン国家安保補佐官は会議後の会見で「首脳たちは『南シナ海と東シナ海における強圧からの自由』を含む、核心的な域内問題について議論した」と伝えた。共同声明の中に出てくる「強圧」という言葉の主体が中国である点を明確にしたのだ。サリバン補佐官は「4カ国首脳は中国からの挑戦について意見を交換した。誰も中国に対していかなる幻想を持っていない点も明確にした」とも説明した。
共同声明にはさらに「国連安保理決議に基づく北朝鮮の完全な非核化に対するわれわれの公約を再確認し、日本人拉致問題の即時解決の必要性も確認した」との内容も含まれていた。国連安保理決議は「北朝鮮は完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)をしなければならない」と定めている。北朝鮮問題の当事者である韓国政府の立場とは関係なく、クアッド4カ国が「CVID」を原則として採択したと考えられる部分だ。
今後の具体的な協力に向けクアッド4カ国は「ワクチン専門家によるワーキンググループ」「新興技術ワーキンググループ」「気候ワーキンググループ」を立ち上げ、「専門家と政府高官が定期的に、かつ継続して会合を持つ」との方針も明確にした。とりわけ共同声明に出てきた「国際標準と核心技術に対する協力の促進」を目的に発足する「新興技術ワーキンググループ」が注目されている。サリバン補佐官はこのワーキンググループについて「5Gや人工知能といった核心技術の標準設定とサイバー攻撃への対応などを担当する」と説明した。さらに「半導体やレアアース(希土類元素)など、今後これらの核心的な素材の不足が起こらないよう、(米国と同盟国は)サプライチェーン問題を検討することで合意した」とも伝えた。
共同声明には「幅広いパートナーと協力する」との文言があるが、核心技術や半導体、レアアースなどのサプライチェーン形成に向けた一連の協議はこのワーキンググループに入った4カ国を中心に進められる可能性が高い。韓国政府は「特定の国を排斥すべきではない」としてクアッドへの参加をためらっているが、これによって「未来の産業において後れを取る結果につながりかねない」との懸念も出ている。
クアッドが北大西洋条約機構(NATO)のような地域における安保同盟へと発展する可能性についてサリバン補佐官は「クアッドは軍事同盟ではない。新たなNATOでもない」と明言した。しかしクアッド4カ国の軍はすでに昨年「マラバール2020」と呼ばれる共同軍事演習を行っている。またサリバン補佐官は今月18日にアラスカのアンカレッジで開催される米中外相会談で「香港」「新疆ウイグル自治区」「台湾」などの問題に加え、中国による「オーストラリアへの圧力」「(日本が実効支配している)尖閣諸島への圧力」「インドとの国境における攻撃的な姿勢」などへの懸念を伝える方針も明らかにした。軍事的・安保的な側面は排除できないということだ。今回の会議で共通の方向性を確認した4カ国首脳は、今年の年末をめどに対面での首脳会議を開催することも合意した。
ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員
朝鮮日報 記事入力 : 2021/03/15 10:50
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