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「チップ4」を持って訪中した韓国外交長官、米中葛藤の中で「説得外交」の準備
今回の訪中は尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府に入って初めて実現した高官級訪中だが、状況は並大抵ではない。訪中一日前である7日、尹錫悦政府は「チップ4」(韓国・米国・日本・台湾間半導体サプライチェーン協力体)の予備会議に出席する方針を明らかにした。政府関係者は「チップ4は米国が主導し、中国が反対するということから『諸刃の剣』だ。国益の面では参加が避けられない」として「現在、チップ4の公式名称やアイデンティティ、あり方などについて意見を交わす段階だが、韓国が予備議論に出ること自体が事実上チップ4の参加を前提としたと見てもかまわない」と話した。
中国にとっては米国と半導体分野の協力を強化する韓国の動きが心地悪い。特に、チップ4を「半導体分野で中国を孤立させようとする試み」とし、「世界経済が深く融合する流れを逆らうもの」と主張している。
朴長官は今回の会談でチップ4が中国を半導体サプライチェーンから排除したり孤立させたりする目的ではないといった点を説明する予定だ。朴長官は「中国は韓国の最大貿易相手国で、サプライチェーン分野でも重要な相手国」とし「中国とサプライチェーンを安定的に管理できる疎通と対話が必要で、そうした点について中国と協議する予定」と話した。
中国は今回の会談で「THAAD(高高度ミサイル防衛)3不」に対する尹政府の立場を求める可能性もある。THAAD3不とは、2017年文在寅(ムン・ジェイン)政府がTHAADの配備に反発する中国側に▼THAADを追加配備せず▼米国のミサイル防御体系に参加せず▼韓日米軍事同盟を結ばないと説明した内容だ。中国はこれを韓中合意事項として見なすが、尹政府は国家間合意ではないとの立場で一貫している。