兵庫県尼崎市の光本圭佑市議が所属会派の政務活動費(政活費)を不適切処理していた問題で、市議会事務局は5日、有印私文書偽造・同行使などの疑いで、光本氏を兵庫県警に刑事告発した。事務局長が告発人となり、県警捜査2課に告発状を提出した。不明朗な出入金は約700万円に上るとしている。
市議会事務局は光本氏が昨年8月、家電量販店でパソコン6台など約76万円分を購入した際に納品書を自作したほか、実際には使っていないデビットカードで支払ったように偽るため領収書に加筆したと主張。この2通を、所属する会派「日本維新の会」(6月に除名)を提出したことが、有印私文書偽造・同行使などに当たるとしている。
市議会事務局は「会派による調査で、ほかにも不可解な事実が判明しており、それも併せて県警に捜査を依頼した」としている。
光本氏を巡っては今年4月、会派の政活費口座から250万円を会派の同意なく引き出した疑いも浮上している。
市議会は6月28日、光本氏に対する辞職勧告決議を全会一致で可決。光本氏は同日、自ら県警に捜査を依頼したと明らかにした上で「捜査の進捗に併せ、市民への説明責任を果たしていく」と語っていた。
5日午後2時半から議会事務局が会見を開き計約700万円の不明朗な出入金を県警に伝えたものの、告発内容は本人も認めている部分にとどめたと説明。「議会の中では百条委員会設置の意見も出ている。県警の捜査で事実の解明を進め、それを基に今後の予防策などの制度設計を進めていく」とした。(山岸洋介、村上貴浩)
2022/8/5 15:45神戸新聞NEXT
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