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【はいはい】「東京よりソウル」…日本を抜いた「高級韓国」
同じ時期、フランスでは浮世絵が描かれた扇子がファッション・インテリアとして人気が高まり「日本風」がよく売れた。ロンドンのハイドパークには「日本村」ティーショップが登場し、きものを着てパーティーをしたり日本式の傘を持って歩くのが流行だった。19世紀の西洋は最近の言葉でJファッション、Jスタイルなど「日流」に熱狂した。その後100年以上も日本の文化はファッション、デザインだけでなく、美術、文学、クラシック、大衆歌謡、漫画、アニメーション、文学など世界的に「高級文化」の地位を維持した。
2021年、雰囲気は変わった。中国と東南アジアが中心だった「韓流」が北米と欧州に広がった。女優ユン・ヨジョンが白人の祭りと批判されてきたアカデミー賞助演女優賞を受賞し、韓国ドラマ『イカゲーム』はネットフリックス世界チャート1位になった。ビルボード人気曲チャートで10週間1位になったBTSの最近の米国コンサートには、コロナ感染拡大の中でも約21万3000人が集まった。
高級文化、高付加価値産業の頂点と呼ばれるファッションはどうか。フランスやイタリアなどの高級ブランドが国内やアジアでなくブランド全体を代表するグローバル広報大使(アンバサダー)として韓国スターを起用している。今年だけでもディオールとティファニーがそれぞれBLACKPINKのジスとロゼを、ルイ・ヴィトンがBTSを、サルヴァトーレフェラガモがRed Velvetのスルギを、ロエベがヒョナをグローバル広報大使に選定した。
韓国ブランドを求める人も増えた。最近スペインのZARAが国内ブランドADERとのコラボで出した衣装でヒットし、世界1位スポーツブランドのナイキは歌手G-DRAGONとのコラボですでに3回も運動靴を出している。ルイ・ヴィトンのデザイナーだったヴァージル・アブローが立ち上げた「オフ-ホワイト」はアモーレパシフィックと提携して話題になった。
世界的なファッションジャーナリストでありヴォーグインターナショナルのエディターのスージー・メンケスは2015年、「ソウルはアジアのリーディング都市でなくグローバルブランドの源泉になる時」と話したが、その言葉が現実になっているのだ。
実際、アジアといえばいつも東京が最優先だったブランド品が今ではソウルを先に訪れている。あるファッション業界の関係者は「グローバルファッション時計を太陽で表現すれば上海が午前10時、ソウルが正午、東京が午後3時」と表現した。ユン・ヨジョンは受賞の所感で「運が良かった」と謙虚に話したが、今の韓国文化ブームは決して運ではない。
一国の文化が世界的に「高級」「かっこいい」というイメージを確立するにはコンテンツ自体の優秀性だけでは限界がある。長い歳月にわたり世界の舞台で知られ、好き嫌いはともかくグローバルヘゲモニーを握った西欧圏が主導する「クラシック文化」で認められる必要がある。決定的に経済力を前に出して国際社会で声を出すことができなければいけない。
韓国は一つずつ積み上げながらこうした条件を満たしてきた。不屈の製造企業が優秀な品質で「メード・イン・コリア」を知らせ、アジア競技大会、オリンピック(五輪)、ワールドカップ(W杯)など世界の祭典を成功させた。ドイツ最高バレエ団のトップに立ったカン・スジン、ショパンコンクールで優勝したチョ・ソンジン、全世界を氷上で魅了したキム・ヨナらは西欧先進国が優越感を抱く分野を制覇した。