あわせて読みたい
【韓国】 20・30代の恋愛事情「政治的傾向が合わない人は避けます」
MZ世代、デートアプリ加入時に政治的傾向を記入するのは…
2018年にリリースされたデートアプリ「ブラリー(blurry)」は、2020年に加入者が必ず作成すべき基本情報を問う項目の一つとして「あなたの政治観は?」という質問を追加した。加入者は「進歩的」「中立」「保守的」「関心がない」のうち一つを選ばなければならない。アプリの関係者は「ユーザーのデータを分析してみたところ、年齢や喫煙・飲酒の有無、宗教と同じく、政治的傾向も相手を知るための基本的な情報としてデリケートに見られていることが判明した」と語った。
デートアプリ「チューリップ」も、加入者に「主な政治事案に関する傾向はどのようなものか?」という質問で「保守に近い」「進歩に近い」「政治に無関心」という三つの選択肢の中から一つを無条件に選択させている。社会人のソンさん(28)は「政治的傾向が違うと、思ったよりぶつかることが多く、疲れる状況が生じるのは避けられない」とし「似たような政治的傾向を持つ人と会ってこそ、安定的に長く関係を維持できると思う」と語った。
さまざまなデートアプリが加入者に「政治的傾向」を明かすよう求めているのは、このごろの青年らのこうした傾向が反映された結果だ。ソウル大学心理学科の郭錦珠(クァク・クムジュ)教授は「このごろの青年は政治的事案で互いに衝突した経験が多い反面、葛藤を解消した経験はほとんどない」とし「だから、出会いを始める段階から、政治的傾向の合う相手を探そうとする」と指摘した。
実際、いわゆるMZ世代(1980-2000年代生まれ)に当たるこのごろの青年らは、合コンやお見合いなどで異性と出会うことになると、メッセンジャーアプリのプロフィルやソーシャルメディア(会員制交流サイト)などで政治的傾向をあらかじめ探っておくケースが多い。ソーシャルメディア上で自分とは傾向が反対の政治家や政党をフォローしてはいないか、自分と意見が異なる政治イベントや集会に参加してはいないか-などを調べるのだ。若者層の間では、各種の政治問題が、恋人同士ですらお互いを「イデナム」「フェミ」などと呼ぶ極端な男女対立へとつながってしまう目に遭った人が少なくないという。全羅北道益山市に住む大学院生のキムさん(27)は「前の学期に2-3回、合コンの話があったけれど、そのたびにプロフィルを調べて、どの党を支持しているか、政治家のファンに近いくらいに関心が強いのではないかと調べてみた」とし「政治的傾向は、一度固まると変えるのは大変なので、最初からよく合う人と付き合いたい」と語った。
政治的傾向を問う雰囲気が、特定の地域や集団の出身者との出会いを嫌がることにつながるケースもある。世宗市に住む社会人のキムさん(27)は「このごろ、周囲の友だちに合コンをあっせんしてあげると、特定の地域の出身者は嫌だという友だちもいる」と語った。ソウル大学社会学科のキム・ソクホ教授は「若い男女が(相手の)政治的傾向を探るのは、互いに耐え難いほど政治状況が二極化した韓国社会の状況を端的に示す現象」と指摘した。
カン・ウリャン記者
朝鮮日報
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/07/29/2022072980112.html