【静岡】主婦が運転中に心肺停止、車内見た男性が停車させ心臓マッサージ 建設業の男性（４５）に感謝状

佐野さんは一月二十七日午前十時二十五分ごろ、大倉戸インターチェンジから西に百メートルの国道４２号を乗用車で走行中、対向車線の車が中央線を越えてゆっくりと近づいてきたのを確認した。運転者の女性の様子がおかしかったため、路肩に自分の車を止めて外へ。クリーピング状態で対向車線側のガードレールに近づく女性の車の運転席のドアを開け、ブレーキを踏んで停車させた。

女性に呼び掛けても意識がなかったため一一九番し、消防が到着するまでの六分間、女性に心臓マッサージを施した。救急車と搬送先の病院で自動体外式除細動器（ＡＥＤ）による電気ショックを複数回与え、十時五十五分に心拍が再開した。女性は二月十一日に退院し、日常生活に復帰した。

市消防署南分署（新居町）であった表彰式には、佐野さんと助かった福川良子さん（７２）＝白須賀＝が出席。佐野さんが杉浦昌司消防長から感謝状を受け取った。

佐野さんは「とにかく死んでほしくないと気が動転し、通報の時に声が出なかった。半年前に受けた救命講習を思い出し、消防からの電話の指示通りにマッサージした。助かって何より」と振り返った。福川さんは「当日のことは記憶にない。佐野さんがいなかったら普段通り生活できている今の私はない」と感謝した。

杉浦消防長は「ためらわず通報し、救命の連鎖をつないでくれた勇気ある行為に敬意を示したい」とたたえた。

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