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秋葉原殺傷 ネットの「居場所」奪われ凶行 立場の弱い派遣社員の孤独や苦悩も 加藤死刑囚に刑執行
秋葉原殺傷 ネットの「居場所」奪われ凶行 立場の弱い派遣社員の孤独や苦悩も 加藤死刑囚に刑執行
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東京・秋葉原の歩行者天国で男女17人が死傷した無差別殺傷事件から14年余り、元派遣社員加藤智大死刑囚(39)の刑が執行された。平成史に残る通り魔事件であると同時に、立場の弱い派遣社員の孤独や苦悩も浮かび上がった。(山田雄之)
「負け組は生まれながらにして負け組です。まずはそれに気付きましょう。そして受け入れましょう」
2008年6月に事件を起こす数カ月前、インターネットの掲示板にこう書き込んでいた加藤死刑囚。派遣社員から正社員になろうと、就職支援センターに相談していた時期だった。ほかに書き込んでいた内容は、自分は「不細工」で彼女ができないという卑下、夢のない将来、他人への嫉妬、両親への嫌悪…。「人生のうっぷんがあった」と加藤死刑囚は後の警視庁の調べに供述したとされる。
唯一のはけ口だったネット掲示板。加藤死刑囚になりすます「偽者」や「荒らし」が頻発したことが事件のきっかけだったと、本人は公判で説明している。
加藤死刑囚は1審東京地裁の公判の被告人質問で「現実で本音を言える人がおらず、(ネット掲示板は)自分が自分でいられる場所だったが、大切な人間関係を壊された」と主張。「自分が事件を起こしたことを知れば、本当に嫌がらせをやめてほしかったと伝わると思った」と動機を語った。
「やりたいこと…殺人夢…ワイドショー独占」「車で突っ込んで、車が使えなくなったらナイフを使いますみなさんさようなら」。ネット掲示板への書き込み通りに実行した加藤死刑囚に事件後、派遣の代表として「神」と称賛する書き込みがネット上で相次いだ。
【日時】2022年07月26日 11:05
【ソース】東京新聞