【国際】 中国より恐ろしい「ESGの罠」、大統領が逃亡した破産宣言スリランカの誤算…経済崩壊導いた有機農業の強行

【国際】 中国より恐ろしい「ESGの罠」、大統領が逃亡した破産宣言スリランカの誤算…経済崩壊導いた有機農業の強行

【国際】 中国より恐ろしい「ESGの罠」、大統領が逃亡した破産宣言スリランカの誤算…経済崩壊導いた有機農業の強行

1: LingLing ★ 2022/07/17(日) 21:13:24.07 ID:CAP_USER
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中国より恐ろしい「ESGの罠」、大統領が逃亡した破産宣言スリランカの誤算
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71003

経済危機に直面し、首相が国の「破産」を宣言したスリランカ。強烈なインフレに民衆の暴動は激化し、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領は国外に脱出した。混乱を招いた最大の要因は農業の崩壊だ。根本にあるのは、過剰なまでに環境に配慮した「良い」国家を目指したことにある。ESG(環境・社会・企業統治)スコアを上げようと努力し、温暖化ガス排出ゼロを目標に掲げることは果たして正しいのか。

(杉山 大志:キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

■ 経済崩壊導いた有機農業の強行

スリランカは大規模な貧困、インフレ、燃料不足に見舞われ、首相は、国が「破産」したと宣言した。10万人規模のデモが起きて大統領府になだれ込んだ。ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領はモルディブに逃亡したのち、辞任を表明した。

スリランカのインフレ率は6月に54.6%となっていた。5月以降だけで、食品価格は80%、交通機関の料金は128%上昇した。

日本ではこの破綻の原因として「中国の債務の罠に嵌った」とする報道があったが、これは当たらない。

スリランカが海外からの借り入れに頼り無謀な投資を続けてきたのは事実だが、中国の債務はスリランカの債務全体の1割に過ぎない。中国はむしろ、親中的なスリランカの政権を20年にわたって支えてきたのであり、その破滅は望んでいなかった。この点は中国問題グローバル研究所所長で筑波大学名誉教授の遠藤誉氏が詳しく書いている。

将来的に債務の罠に嵌めるつもりがあったかどうかは知る由がないが、少なくとも、これまでは一帯一路の一部としてのスリランカの繁栄を望んでいた。

スリランカ経済崩壊の理由には、無謀な借金による投資拡大の他に、コロナウイルスの蔓延による観光業の壊滅、ウクライナの戦争によって引き起こされた世界的なエネルギー危機などの要因もあった。

だがもっとも根本的な問題は、有機農業の強行による農業の破滅だった。

スリランカは、窒素酸化物による公害や温室効果を削減するために、環境に優しい農法を実施する取り組みの一環として、2021年4月から化学肥料を禁止した。

だがこれにより作物の収穫量は激減し、農業が崩壊し、スリランカは主要な輸出作物を失って貿易収支にも大打撃となった。

スリランカの農家の90%は化学肥料を使用していた。彼らは当然、これがなければ作物の収量が激減することは分かっていた。

2021年の化学肥料禁止に伴い、米の生産量は2019年に比べて43%減少した。スリランカの人口2200万人のうち70%は、直接的または間接的に農業に依存している。このため農業への激しい悪影響は、社会全体に深刻な影響を与えた。

■ ESGスコアは優等生だが・・・

化学肥料禁止令は、その恐ろしい影響が明らかになった2021年11月に撤回されたが、時すでに遅かった。

深刻な打撃を受けたのは、主食の米だけではない。重要な換金作物で輸出商品の主力である茶やゴムなども打撃を受けた。国連人道問題調整事務所による6月9日付の報告書では、2021-2022年シーズンの作物生産量は前年度から40%から50%も減少した。

化学肥料を用いない、有機農業の国――スリランカの指導層が目指したのは、国際機関のグリーン・エリートが喜ぶような、環境に配慮した「良い」国家である。

マヒンダ・アマウィーラ環境大臣は、2020年に「誤った技術の利用、貪欲さ、利己主義」から地球を救うための政府構想を宣言した。

ワールドエコノミクスのデータによると、スリランカのESGスコアは98.1とほぼ満点である。比較のため例を挙げると、スウェーデンは96.1、米国は58.7にとどまっている。

■ 環境イデオロギーが引き起こした危機

だがスリランカの危機は、まさにこのような環境イデオロギーによって引き起こされたものだ。

スリランカの政治家たちは、熱狂的な有機農業運動を受け入れてきた。世界経済フォーラムに集ういくつもの大企業も、スリランカでの有機農業を推進してきた。

だが、有機農業というのは、一部の余裕のある人々のための贅沢に過ぎないのだ。


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