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【韓国報道】改憲勢力圧勝、岐路に立つ韓日関係 日本の市民たちには隣国を配慮する賢明な道を選択してほしい
戦後75年間維持されてきた平和主義の象徴である日本国憲法9条の改正の有無を含む改憲問題は、韓日関係をはじめとする東アジア情勢を揺さぶる可能性が高い。選挙直後に出た改憲の意向への言及が懸念される理由だ。
今回の選挙の結果、自民党をはじめ改憲を支持する4政党の全議席数は177議席に増え、憲法改正の発議に必要な3分の2議席(166議席)を大きく超えた。
この日の夜、NHKが主要政党の代表と行った中継インタビューで「改憲」問題が多く言及されたことは、改憲に関する議論に弾みがつく可能性を示唆している。
ただし、岸田首相が「具体的な内容について3分の2の賛成を結集」しなければならないと述べたのは、「憲法9条」を変える点で意見の相違があることを示していると読み取れる。
憲法9条は、戦争放棄、戦力不保持と交戦権の否認を規定しているが、事実上の軍隊である自衛隊の存在を憲法に規定しようとする改憲案について、自民党と連立与党の間でも意見は完全には一致していない。
日本は重大な岐路に立っている。改憲を「歴史的な使命」と述べていた安倍元首相の死を哀悼する雰囲気のなかで右翼勢力が結集し、憲法9条を改正し本格的な軍備増強の道に進もうとする動力が大きくなった。
ロシアのウクライナ侵攻と中国の軍事力強化、北朝鮮の核とミサイル能力の増強などによって、安全保障への不安が高まり、日本国内で改憲支持の世論がこれまでになく強まったことは事実だ。
一方では、選挙の勝利で政治的な立場を強化した岸田首相が、安倍元首相を中心とする強硬路線から脱し、徐々に穏健保守政策を実現していくだろうという期待もあるが、短期間で日本政府の韓国に対する政策が大きく変わると予断してはならない。
日本の市民たちには、安全保障への不安が高まるほど韓国との協力が必要になる現実を直視し、歴史に対する反省と平和憲法の上で隣国を配慮する賢明な道を選択してほしい。
政府は、ハン・ドクス首相らの使節団を日本に派遣する「弔問外交」を準備し、パク・チン外交部長官の訪日も再度推進中だ。韓日関係改善のための努力は重要だが、複雑な日本の状況を正確に把握し、落ち着いた対日外交が必要な時だ。
2022-07-13 07:50 ハンギョレ新聞
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/44028.html