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【韓国】ベルリンの平和の少女像、“永久存置”は水の泡となるのか
昨年12月、ドイツ・ベルリンのミッテ区議会が「平和の少女像永久設置」決議案を議決したが、永久存置の論議が消え、事実上「1年後撤去」を図る動きが出ていることが確認された。
ベルリンのコリア協議会のハン・ジョンファ代表は28日(現地時間)、本紙の取材に対し「昨年1月以降、ベルリンのミッテ区役所は少女像の存続に関する公式資料を出しておらず、問い合わせにも回答を避けている」と述べた。
少女像は昨年9月25日、ミッテ区のビルケン通りとブレーマー通りの交差点に建てられた。同年10月7日、日本の執拗な圧迫によりミッテ区役所が少女像撤去命令を出したが、コリア協議会などの市民団体が撤去命令効力停止仮処分を申し立て、連日抗議デモを行い、地元の世論や議会を説得した。昨年12月1日、ミッテ区議会は賛成24対反対5の圧倒的な票差で少女像永久設置決議案を議決し、永久設置のための方策を講じることにしたという経緯がある。
ハン代表は特に、今年1月19日、ドイツ自由民主党(FDP)所属の区議員3人が区議会に提出した案件について懸念を示した。議員らは「戦時性暴力を象徴する美術作品公募展を再び開き、(韓日間の外交問題となる少女像の代わりに)一般的な戦時性暴力問題を扱う作品を建てよう」と提案している。この案件は1月28日に票決される予定だったが保留となり、現在ミッテ区文化芸術担当部で審議中だ。
同案件によると、美術作品公募展にコリア協議会が審査委員として参加しなければならないという条件がついているという。ハン代表は「私たちが審査委員に入れば、むしろ提案をすることができなくなる」とし「この案件を見ると、永久存置決議は黙殺して少女像は1年だけ設置すると釘を刺しているもの」と述べた。
ミッテ区役所側の不審な措置にもかかわらず、ベルリン少女像はドイツの平和・人権運動の聖地として位置づけられている。「右翼に反対するおばあさんたち」(Omas gegen Rechts)は毎月第3土曜日に少女像の前で集会を開き、極右銃乱射事件の犠牲者を追悼する式典を開くなど、平和運動を展開している。同団体の活動家のレナテ・クリスティアンスさん(65)は本紙に「少女像は原理主義の暴力であれ、人種主義であれ、左派テロであれ、右派テロであれ、すべての種類の暴力に反対する意思を表現するのに最も適した場所だと思う」とし「ここはすべての暴力を警告する場所だ」と述べた。また別の女性団体「勇気」も6日、平和の少女像の前でデモを行う予定だ。ハン代表は平和の少女像永久存置のため「コロナ封鎖が緩和され、暖かい時期になったら、少女像の前で平和について討論し、文化イベントも開き、少女像が広範囲な平和を象徴するという点を知らせる予定」だと述べた。
ベルリン/ハン・ジュヨン通信員
ヤフーニュース(ハンギョレ新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/40574e4ddbf14f8e571c4a02675989e29343cded