あわせて読みたい
ラグビーリーグワンPO決勝 埼玉パナソニックワイルドナイツが18-12で東京サントリーサンゴリアスを下し、初代リーグワン王者に
埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉、リーグ2位)が初代王者に輝いた。
昨季のトップリーグ(前身)決勝で勝利した東京サントリーサンゴリアス(東京SG、リーグ1位)を、2年連続で退けた。
今季はチーム内に新型コロナウイルス陽性者が出た影響で開幕から2試合は不戦敗。以降はプレーオフを含めて
16連勝で、その力を示した。
約5カ月前、不戦敗で戦うことすらできなかったリーグワン開幕戦の会場で、埼玉の強さを見せつけた。
普段通り-。簡単そうで難しい姿勢を、貫く強さがあった。リーグトップに1本差の10トライを挙げ、日本代表候補入りし
たWTB竹山晃暉(25)が言った。
「(決勝を控えても)思っている以上に普通です。いい積み重ねができてきたんだと思います。『決勝だからご飯を
たくさん食べよう』とか『ストレッチをたくさんしよう』とかじゃなく、リーグ戦、準決勝を戦ってきたような過ごし方。
何も恐れることがなく、やることがシンプルだからこそ『いつも通り』です」
シーズンの出だしは2試合連続の不戦敗。リーグ規則で相手に勝ち点5が与えられ、第2節終了時点で勝ち点0から
スタートだった。W杯2大会連続出場中のプロップ稲垣啓太(31)は、正直な思いを明かした。
「もどかしさはもちろんありました。ただ、それでチームがシーズンを終えるわけじゃない。身近にコロナが迫っている
実感がなかった。ただ、気づいてみた時には『すでに遅し』。コロナを身近に実感したからこそ『ただラグビーを
やっているだけでは、今季は戦い抜けない』と思った」
後ろは向かなかった。細部を突き詰め、意思疎通を密にし、毎週の試合で出た課題の修正を繰り返した。
W杯3大会連続出場中のフッカー堀江翔太(36)は、成長した部分を分析する。
「去年より発言する選手が多くなってきた。チームワークがいい。平均的にそこそこの選手が集まって、選手同士で
会話をしながら、作り上げていく。ゲーム中に会話しながら、僕中心じゃなく、リーダー陣中心にできていると思います」
決勝前日の28日。最終調整後の記者会見でも、フッカー坂手淳史主将(28)の発言はぶれなかった。「自慢の防御を
出すためには」という質問にこう答えた。
「重要になってくるのはしゃべること。全員でしゃべって、つながって、そこから、攻撃につなげたい」
ピッチ上でも、その外でも-。埼玉は意思疎通を続け、役割を遂行し、最後に頂点に立った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7d5a8608f49e25b651427ad47673895459b77d32