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NP7「巨人、工藤公康監督待望論も」
スポーツ紙デスクはこう指摘する。
「坂本はじっくり治したほうがいい。長年にわたる疲労の蓄積もあると思います。体は満身創痍でこれ以上無理すると選手寿命に響きかねない。逆転優勝の可能性が限りなく低くなった以上、期限を決めずにじっくりコンディションを整えたほうが良いと思います」
優勝への一縷の望みをかけて戦った首位ヤクルトとの直接対決も、7月7日は3-11の大敗。同一カード3連勝を狙う試合としてはあまりにも寂しい内容だった。先発のシューメーカーは初回に5点を失うなど3回持たずに降板。6回から登板した桜井俊貴も4失点と炎上。東京ドームに詰めかけた巨人ファンは敗色濃厚の試合展開で次々と帰宅の途につき、スタンドには空席も目立っていた。
前出・スポーツ紙デスクは原監督の采配にも疑問の声を投げかける。
「坂本が離脱したショックばかり報じられていますが、敗因をそこに求めるのはおかしい。絶対に負けられない試合で、原辰徳監督の采配は勝利にこだわっているように感じられなかった。
スタメンでマスクをかぶった大城卓三を5回の守備から交代させて、途中出場させたのは高卒2年目の喜多隆介。これ以上の失点を防ぎたいなら小林誠司を起用する選択肢もあったと思うのですが、1軍での実績がない喜多に任せたのも疑問です。
3点差に詰め寄った6回は桜井を起用して再び突き放されました。7点ビハインドの9回に赤星優志を起用するくらいなら、なぜ6回のあの場面で登板させないのか。桜井は6回に2失点しているのに、7回も続投させて失点を重ねた。原監督のどうしても勝ちたいという思いが伝わってこない采配でした。『原監督ではもう勝てない』と巨人ファンが怒って席を立つのも無理はない」
原監督はリーグ優勝を逃した昨オフに新たに3年契約を結んだが、ヤクルトに首位独走を許す戦いぶりに批判の声が上がっている。坂本、菅野智之ら主力に故障が目立ち始めて世代交代の波を迎えている中、常勝軍団を再構築するのは容易ではない。次期監督の有力候補に阿部慎之助作戦兼ディフェンスチーフコーチ、桑田真澄投手チーフコーチらの名前も取り沙汰されているが、
巨人ファンから待望論が高まっているのがソフトバンクで昨年まで監督を務めた工藤公康氏だ。工藤氏をよく知る球界関係者はこう語る。
「工藤さんといえども監督時代は順風満帆というわけではなかった。コーチや選手と距離を感じたこともあり、それを反省し、謙虚な姿勢でコミュニケーションを積極的に取るようになった。『ソフトバンクはあの戦力なら誰でも勝てる』という人もいますが、それは違います。松田宣浩、柳田悠岐、中村晃ら年齢的に脂がのり切った選手が多かったのは事実ですが、救援陣の疲労を考慮して起用法には細心の注意を払うなど、チームマネジメントは徹底していた。巨人の今のウィークポイントが投手陣であることは明らかです。工藤さんなら巨人をどう立て直すのか、見てみたいというファンは少なくないでしょう」
これまで巨人の監督には、巨人一筋の生え抜き選手しか就任していない。それは「不文律」とも「暗黙の了解」とも言われている。工藤氏は現役時代に2000~2006年まで巨人に在籍していたが、西武、ダイエー、横浜(現DeNA)を渡り歩いているため「巨人一筋の生え抜き選手」には当てはまらない。ただ、チーム再建を考えると「生え抜き至上主義は時代遅れ」と指摘する声も聞かれる。原監督は2024年シーズンまで任期があるが果たして──。